タワークレーンは、その役目が完了すると解体されます。ここでは、その手順についてご紹介します。
第1展望台の屋上に設置している4基のタワークレーンは、クレーン同士で順番に解体していき、4基から1基にします。
4基のタワークレーンのうち建て方専用機(TC2号機、TC4号機)は、塔体建て方とともにマストクライミングを行ったので、荷揚げ専用機(TC1号機、TC3号機)よりも高い位置に設置しています。
そのため、クレーン同士で解体する前に、マストクライミングと逆の手順でポストを解体しながら、建て方専用機の高さを下げます。(通常、この作業を「クライミングダウン」または「逆クライミング」と呼びます)
東京スカイツリーの工事では、下図の順番でタワークレーンを解体します。
3基のタワークレーンを解体した後に残ったTC1号機は、それよりも一回り小さな解体用クレーンを設置して解体します。より小さなクレーンを設置し、既設の大きなクレーンを解体するという方法を3回繰り返し、最後は人の手で解体できる機種にまで小さくしていきます。
なお、東京スカイツリーの工事では、工事用タワークレーンのTC1号機(JCC-V720)を最少回数で解体できるように開発された3種類のクレーンを使用します。これらのクレーンが開発される以前は、同様の作業をするのに5種類のクレーンが必要でした。
解体用クレーンにも高さ対策
工事用タワークレーンの設置や塔体鉄骨の建て方と同様に、タワークレーンの解体作業も「未知の高さでの作業」の一つです。そのため、解体用クレーンも工事用タワークレーン同様に、「高さ対策」のチューンアップを施しています。
→参考:特別仕様タワークレーン「今までのタワークレーンでは作業ヤードに届かない」
ここをチューンアップ
標準機の揚程=250m
揚程=400mとし、巻き上げ装置やドラムの強度を向上させています。
東京スカイツリーのつくり方大公開(上級編)
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