研究開発の歴史

大林組の主な開発技術と研究施設 技術開発をめぐる動き
1948年
(昭和23年)
技術開発を専門とする研究部を大阪本店内に設置
1940年代
  • 終戦後、国土復興に向けたビル建築や公共工事が増加し、施工技術の開発に拍車がかかる。

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1950年代
  • 技術革新による高度成長期を迎え、ビル建築の需要がさらに高まる。作業の省力化・効率化や安全性の向上を実現する機械化工法が導入された。

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1961年
(昭和36年)
建物の地下工事で地中連続壁を構築する「OWS(オウス)工法」を開発。わが国最高の技術と施工実績を誇る
1960年代
  • 1964年の東京オリンピックに向けて社会資本が整備される。競技場や宿泊施設、道路や鉄道が次々と建設され、海浜地帯の埋め立ても進んだ。
  • 1970年の万国博覧会の開催が決定し、大林組は大屋根をジャッキアップしたお祭り広場や、空気膜構造の屋根によるアメリカ館などを施工。

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1965年
(昭和40年)
現在の東京都清瀬市に技術研究所を開設
1966年
(昭和40年)
海浜部などの超軟弱地盤処理工法の草分けとなった「ファゴット工法」を開発
1969年
(昭和44年)
構造物を地上で組み立て、高所に設置する「リフトアップ・ジャッキダウン工法」を実用化
1976年
(昭和51年 )
コンピュータ装置類の転倒を防ぐ免震床「ダイナミック・フロア・システム」を開発
1970年代
  • 1972年に日本列島改造論が発表され、公共投資による社会資本整備が進む。また、躍進するハイテク産業の施設工事も増加した。
  • 第一次オイルショックを機にエネルギー問題が顕在化。1979年の東京サミットではその対応が主な議題となった。

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世界一の省エネビル(1982年完成)に向けた「省エネルギー建築計画技術」を検討
1980年
(昭和55年)
梁の強度を高め、大スパンの空間を可能にする「プレストレスコンクリート構法」を開発
1980年代
  • エネルギー資源を安定して確保するため、原子力発電所の需要が拡大。省エネルギーに対応する技術の開発も進む。
  • 環境問題が世界規模となり、国連などの国際会議で取り上げられる。建設分野でも、緑化や土壌浄化などの技術開発が活発になった。
  • バブル景気により建設ブームが起こる。東京湾横断道路の建設や東京臨海副都心構想の具体化など首都圏の大プロジェクトがスタート。
  • 建築基準法施行令改正により、住宅の倒壊危険性を判別するための新耐震設計法が導入される。
  • コンピュータの性能が飛躍的に進歩し、建設においても高度な解析技術による検討や安全性の確認が進む。

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長年にわたり研究を進めてきた原子力施設「PCCV(プレストレスコンクリート製)原子炉格納容器」が完成
1982年
(昭和57年)
建物内の空気圧で形を保つ「空気膜構造」を開発し、技術研究所内に実験モデルを設置
ビルの中央監視制御システムから得られる情報で省エネを実現する「BILCON-Σ(ビルコンシグマ)」を開発。建築学会賞などを受賞
世界一の省エネルギービルとして、技術研究所本館が完成
1984年
(昭和59年)
トンネル掘削機の最先部(切羽)に気泡を注入しながら掘進する「気泡シールド工法」を開発。切羽が安定し、掘削土の止水性・流動性が向上
1986年
(昭和61年)
本格的な免震ビルの第一号ハイテクR&Dビルが技術研究所に完成
1987年
(昭和62年)
日本で初めて、液体窒素によるPC防波堤をコンクリートのプレクーリング工法「NICE(ナイス)クリート工法」で施工
1988年
(昭和63年)
炭素繊維によるRC構造物の耐震補強工法として、既存煙突の「CRS(シーアールエス)工法」、既存RC柱の「CRS-CL工法」を開発
高速演算による大規模数値実験として、スーパーコンピュータを活用
1989年
(平成元年)
建物を大屋根で覆い、工場内で生産するように建物をつくる全自動ビル建設システム「ABCS(エービーシーエス)」を開発
1990年
(平成 2年)
型枠が不要な短工期・省資源化工法として、外殻PCa(プレキャスト)コンクリート柱部材「プレカラム」、「オリフォーム工法」を開発
1990年代
  • ビルの建設ラッシュが本格化。施工の効率化を図るため、自動化・機械化による建設生産方式が検討される。
  • 超高層ビルの普及に伴い、建物の揺れを抑える技術が高度化。1995年の阪神・淡路大震災後、耐震技術の開発が飛躍的に進む。
  • IT技術を活用して調達から納品までを一括管理するCALS(生産・調達・運用支援統合システム)が注目される。
  • 1997年に京都議定書が採択され、CO2削減などが義務付けられる。地球温暖化防止をはじめ、環境保全技術の開発が本格化。

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1991年
(平成 3年)
地震時に、建物上層階に置いたおもりを動かして揺れを抑制・吸収する「AVICS(アビックス)」を開発。アクティブ(能動)型
建物上層階にある水槽の水の運動効果で建物の揺れを抑制する「MOVICS(モビックス)」を開発。パッシブ(受動)型
型枠の隅々までコンクリートを充てんできる、流動性の高い「ニューロクリート工法」を開発
1992年
(平成 4年)
多目的風洞実験施設音響実験施設を備える環境研究センターが完成
鋼管柱の中にコンクリートを充てんし、構造性能と経済性と施工能率を高める「CFT構造」を開発。S造、RC造、SRC造に続く第4の構造
1995年
(平成 7年)
世界初、RC造建物の自動化建設システム「BIG CANOPY(ビッグキャノピー)」を開発
「超高強度連続地中壁用コンクリート」により、日本で初めて130N/mm2の超高強度な地中連続壁の施工に成功
1996年
(平成8年)
バイオ処理技術「油汚染土のバイオレメディエーション技術」を世界に先駆けて開発
耐熱クロスで防火・防煙区画を形成する「ウォークスルー耐火スクリーン」を開発。国土技術開発賞を受賞
炭素繊維強化プラスチックによる耐震補強工法として、CFRP板によるコンクリート構造物の補修・補強技術を開発
1998年
(平成10年)
舗装路面を湿潤状態に保ち、蒸発効果でヒートアイランド現象を緩和する「打ち水シリーズ」を発表
すべりと摩擦力で揺れのエネルギーを吸収する制震システム「ブレーキダンパー」を開発
建物外壁での電磁シールドとして、大林組名古屋支店ビルに「炭素繊維混入PCa版による電磁シールド工法」を採用
1999年
(平成11年)
国内最大級の三次元振動台遠心模型実験装置を備えるダイナミックス研究センターが技術研究所に完成
梁端フランジに台形のウイングプレートを取り付ける「ウィングビーム工法」を開発。地震時の粘り強さを向上させるS造の柱梁接合工法
2000年
(平成12年)
耐久性の高いコンクリートを全自動で製造するシステム「コンクリート製造名人」を開発
2000年代
  • 公共工事の品質確保や環境保護、トータルコストの削減などを図るため、総合評価方式のガイドラインが策定される。
  • 日本各地で大型地震が頻発し、人や建物を災害から守る耐震・制振技術の開発がさらに進んだ。
  • 環境問題への対応が本格化し、省エネで環境負荷の低い建物への需要が高まる。
  • 大量生産・大量消費による廃棄物で最終処分場が不足。2002年に、建設資材の再資源化を推進する建設リサイクル法が施行。
  • 2008年、自立式電波塔として世界一の高さとなる「東京スカイツリー」の建設がスタートし、未知の高さに挑むさまざまな技術の開発が進む。

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鋼管・コンクリート複合構造橋脚に新型スリップフォームを組合せた「ハイブリッドスリップフォーム工法」を開発。高橋脚の急速施工が可能に
小型のブロックを積んで構築する耐震補強壁「3Q-Wall(サンキューウォール)」を開発。静かに、短期間で施工できる耐震技術
ビオトープの自然環境保全機能を解明するトンボ池を技術研究所の敷地に造成
2002年
(平成14年)
環境に優しいノンフロン型リサイクル断熱材「セラミライトエコG ®」を発表。エコプロダクツ大賞で国土交通大臣賞を受賞
2004年
(平成16年)
ICT(情報通信技術)を用いたリアルタイム品質管理技術として、「3次元CAD情報とα システムによる土工事情報化施工技術」を開発
2005年
(平成17年)
柱や梁のコンクリート部材を完全にプレキャスト化する「LRV(エルアールブイ)工法」を開発。高層建築物の超短工期施工を実現
最新の設備を備えた火災工学実験棟が技術研究所に完成
2006年
(平成18年)
世界で初めて、地上発進・地上到達を可能にしたシールド工法「URUP(ユーラップ)工法」を開発
2007年
(平成19年)
安全性や作業効率を高めた総合的な石綿(アスベスト)処理技術「アスベスト除去システム」を実用化
効率的に揺れを吸収する制振構造システム「デュアル・フレーム・システム(DFS)」を開発。大阪の超高層マンションに初適用
2008年
(平成20年)
航路障害のない可動式防波堤「浮上式防波堤」を世界で初めて開発
引き抜き力や押し込み力に対する抵抗力を大幅に高めた節付きの杭「ナックル・パイル、ナックル・ウォール」を実用化。東京スカイツリーの工事で採用
2009年
(平成21年)
駅や線路の直上に人工地盤等を構築する際、上空に張り出した作業ステージから杭を打設する「ラピッツ-O(オー)工法」を開発。新宿駅南口地区の人工地盤構築に適用
建物の揺れを地面の揺れの50分の1に低減するスーパーアクティブ制震システム「ラピュタ2D」を開発

低騒音・低振動かつ短工期で、建物を使いながら耐震補強できる3Qシリーズを充実。「3Q-Wall(サンキューウォール)」に加え、「3Q-Column(サンキューコラム)」、「3Q-Brace(サンキューブレース)」を開発

2010年
(平成22年)
二酸化炭素の排出量を8割削減する「クリーンクリート」を開発
2010年代
  • 2010年に名古屋で生物多様性条約第10回締結国会議(COP10)が開催。生物多様性保全への関心が高まる。
  • 2011年の東日本大震災後、免震・制振・耐震技術、津波対策や省電力、新エネルギーの開発に注目が集まる。
  • 被災地の早期復旧・復興をめざし、除染やがれき処理、放射性物質を含む廃棄物の処理、無人化施工の開発が進む。
  • 2012年、再生可能エネルギー特別措置法の施行に伴い、対象となるエネルギーの発電事業化へのニーズが高まる。
  • 2013年、被災地の復興需要により、建設労働者の不足、労務費の高騰から、省力化工法の技術開発が進む。
  • インフラの老朽化が課題になり、維持・管理・更新に対する技術への要求が高まる。
  • 東京五輪の開催(2020年)が決定。環境に対する影響を防止、削減するための対策が求められる。
  • 2014年、リニア中央新幹線の工事実施計画が認可され、建設が始まる。
  • 広島市北部土砂災害、御嶽山噴火などの自然災害による大きな被害が各地で発生。
  • 建設労働者の不足、高齢化がいっそう進み、省人化・省力化工法へのニーズが高まる。
  • 2015年、日本海側を経由して関東・関西を結ぶ北陸新幹線のうち、長野・金沢間が開業する。
  • 関東、東北で豪雨により土砂崩壊や鬼怒川の堤防決壊などの災害が発生する。
  • COP21でパリ協定が採択。今世紀後半、CO2排出量ゼロをめざし、各国に目標達成に向けた対策が義務付けられる。
  • 2016年、生産性革命が本格化しICT(情報通信技術)、ロボット技術、AI(人工知能)、IoT(モノのインターネット)活用が進む。
  • 熊本や鳥取で大地震が発生。東日本大震災から5年が経ち、復興への意識がさらに高まる。
  • 電力自由化がスタートし、再生可能エネルギーをはじめ電力源の多様化が進む。

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技術研究所に本館テクノステーションが完成。スーパーアクティブ制震システム「ラピュタ2D」により、地震でも揺れない世界初のビルが誕生した。 自然エネルギーの利用次世代設備の採用で、最高水準の省エネ・省CO2を実現。高強度・高品質な材料「スリムクリート」、「超高強度CFT柱」など、大林組が培ってきた技術を結集した
2011年
(平成23年)
沿岸地域で調達しやすい海水と海砂を利用した高耐久・高強度の「海水練り・海砂コンクリート」を開発
技術研究所の旧本館を材料化学実験棟にコンバージョン
2012年
(平成24年)
技術研究所本館テクノステーションで国内初の本格的「エミッションZEB 」を達成
剥離・剥落しない大形タイル調デザイン外壁「リニアートパネルTM」を開発
がれき残渣を有効活用した建設資材「アップサイクルブロック」を開発
2013年
(平成25年)
ローコスト超ロングスパンを可能にする新たな木造建築技術を開発
世界初、電力消費量を3割抑制する「省エネシールド工法」を開発
建設現場の資機材の運搬を省力化する「自動搬送システム」を開発・適用
2014年
(平成26年)
日本で初めてトンネル工事の発破音の全音域を消音する「ブラストサイレンサー」を開発、適用
技術研究所にオープンラボ 2が完成。気象を再現したり、地震の揺れや制振の効果を体験できる施設が誕生。本館テクノステーション国内初のソースZEB化工事が完了
普通コンクリートを瞬時に高流動化させる「フローアップクリート」を開発・適用
着装型の作業支援ロボットを建設現場で実証
2015年
(平成27年)
山岳トンネル工事で「連続ベルコン通過型テレスコピック式セントル」を国内初適用
技術研究所にスマートエネルギーシステムが完成
省力化・省人化に向け自動搬送システム「低床式AGV」を開発
長周期地震動の揺れを低減する「大型のTMD制振装置」を適用
2016年
(平成28年)
建物の維持管理にBIMを活かす「BIMobile®(ビーモバイル)」で業務の効率化を提案
建設機械を無人で運転する遠隔操縦装置「サロゲート」を開発
2つの振子で大地震の揺れを抑制する「ペアマスダンパー」を開発
洋上風車の基礎を強固に支える「スカートサクション」を開発

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