(株)大林組(本社:東京都港区、社長:白石達、以下「大林組」)は、環境負荷低減技術の一つとして、二酸化炭素排出量の極めて少ないコンクリートを開発しました。
各種建造物の主な材料であるコンクリートからは、1m3あたり約300kgの二酸化炭素が発生します。2008年度の生コンクリートの国内生産量101,009千m3から換算すると、3,000万トン/年以上の二酸化炭素を排出していることになります。インフラ等の建設にともなう環境負荷を低減するには、この使用量の多いコンクリートを低炭素化することが重要でした。
今回大林組が開発した低炭素型のコンクリートは、製鉄過程で生じる副産物の高炉スラグの微粉末などの混和材料を増やした構成としています。また特殊な薬剤を採用することで、一般のコンクリートと同程度の扱いやすさと強度を確保致しました。
この結果、設計基準強度36N/mm2(呼び強度42)の場合では、二酸化炭素排出量が1m3あたり50kg以下と、一般のコンクリートに比べ80%以上削減することが可能となりました。
また、この低炭素型のコンクリートは、扱いやすさ及び強度だけでなく、コストも一般のコンクリートと同等となっております。更に、ひび割れの原因となるコンクリート打設後の発熱量も少なく、一般構造物だけでなく大型構造物に使用されるマスコンクリートにも最適なコンクリートと考えます。
加えて、低炭素型のコンクリートは、高流動コンクリートにすることも可能ですので、施工時のバイブレータの使用によるCO2排出量も低減できます。
大林組は、今後、部材レベルでの長期にわたる各種耐久性の確認試験を継続し、環境負荷を低減する技術として、実用化を進めていきます。
以上
この件に関するお問い合わせ先
大林組 本社 CSR室 広報第一課
TEL 03-5769-1014
プレスリリースに記載の情報は、発表時のものです。