第1展望台の屋上に設置されている4基のタワークレーンのうち、鉄骨建て方用の2基は、自立できる高さを超えてからは「ステー」と呼ばれるつなぎ梁で塔体と緊結しています。
ただ、地震などで塔体が揺れるとタワークレーンも大きく揺れてしまいます。その揺れを吸収するのが、タワークレーンの最上段に設置された「制振ダンパー」です。
未知の高さにおける安全対策については、「タワーのつくり方:特別仕様タワークレーン」でお伝えしたとおり、タワー塔体とタワークレーンをモデル化した連成解析モデルで検討し、支柱(マスト)の強度アップなど特別仕様の補強を施しました。
制振ダンパーは、地震や強風による最上部での揺れに備え、さらなる安全確保をめざして検討したものです。
制振ダンパーを設置することで、タワークレーンの揺れは、揺れの方向によって3分の1から3分の2程度に低減できることが確認できました。
未知の高さにおける工事では、通常の安全対策に加えて特別仕様の対策を施しています。仮設のクレーンに制振ダンパーを取り付けることは珍しく、これも特別仕様の一つです。事前に解析や検討を重ねたうえで実用化し、さらなる安全性の向上に努めています。
東京スカイツリーのつくり方大公開(上級編)
タワーを支える杭をつくる
タワーの足元をつくる
タワーの鉄骨を積み上げる 未知の高さに吊り上げる
特殊な構造を積み上げる
人や材料を効率よく上げる
高精度に積み上げる
上空の気象条件に備える
アンテナ用鉄塔を引き上げる
タワーの心柱をつくる |