建築リニューアル

地震時にも安全・安心な建物を実現する耐震診断・補強システム

2011年3月の東日本大震災を教訓に、巨大地震の想定が見直され、最大クラスの地震動を想定した対策が必要となっています。大林組は豊富な経験と最先端の技術を活用し、建物に応じた最適な耐震補強システムを提案して、お客様の安全・安心をサポートします。

地震対策をトータルサポート

耐震診断から補強工事までの流れ

耐震診断システム

建物の図面や現地調査などを基に短期間に簡易診断を行い、診断対象を絞り込んで、建物の特徴に応じた手法で診断します。
一般の中低層建物では既存の耐震診断手法を用いますが、重要建物や高層建物、お客様のご要望によっては、大林組独自の耐震診断技術を用いて総合的に評価します。

耐震診断・解析評価手法

ニーズに応じて、より高精度な解析技術を用いた総合的な評価が可能です。地上および地下構造物への耐震安全性評価など、豊富な実績に基づいた診断を行います。

・FEM解析による各種構造解析シミュレーション(FINALFINAL-GEO
・入力地震動評価
・地盤液状化解析(O-EFECT
・地盤建物動的相互作用解析
・既存杭の健全性評価
・既存RC建物耐震診断
・3次元非線形動的応答解析
・長周期地震動予測
・地理情報を利用した地震被害簡易予測システム(QuakeMapper)

長周期地震動予測

長周期地震動予測

FEM解析による各種構造解析シミュレーション

FEM解析による各種構造解析シミュレーション

耐震診断から補強工事までの流れ

建物に対する社会的ニーズや役割を考慮しながら、お客様のご要望に合わせて、現行基準(新耐震設計法)以上の補強グレードを設定します。

補強グレードの設定

耐震補強システム

補強方針 補強方法 推奨する建物
地震力の低減 免震レトロフィット 歴史的建物、博物館、病院、集合住宅など
制震補強
ブレーキダンパーなど)
オフィスビル、工場、集合住宅など
免震床
ダイナミック・フロア・システム
コンピューター室、工場、精密工場、博物館、医療施設など
粘り強さの向上 炭素繊維補強
(CRS工法)
デパート、劇場、オフィスビル、集合住宅など
耐力の向上 耐震壁の増設
3Q-Wall
ピロティを有するビル、倉庫など
鉄骨ブレースの増設
3Q-Brace
オフィスビル、集合住宅、学校など
液状化対策 地中連続壁の構築 地盤改良
TOFT工法)
 

各種耐震補強技術等

免震レトロフィット

既存建物の基礎と地盤の間に免震装置を設けることで地震力を低減させます。そのため、内外観をほとんど変えずに免震化できます。また建物を使用しながら工事を行うことができます。

免震層(完成後)

免震層(完成後)

制震補強

大林組が開発したブレーキダンパー(※1)などの制震部材は、建物の強度不足を補うと同時に揺れを吸収して低減する効果があるため、補強材および補強箇所数の削減が期待できます。

※1 ブレーキ技術を用いて摩擦力で建物の揺れを抑える制震ダンパー(2015年日本建築学会賞〔技術部門〕受賞)

RC造建物外周部への制振補強実施例

RC造建物外周部への制振補強実施例

省スペース型の制震ブレース「ブレーキダンパー(引張ブレース型)

工場などの低層建物の耐震補強では、架構が細く、設置スペースが狭いことから、制震補強が困難であるという課題がありました。「ブレーキダンパー(引張ブレース型)」は、大林組の独自技術である「ブレーキダンパー」を応用した省スペース型の制震ブレースであり、スペースを取らずに制震補強を実現できます。

建物外周に分散配置することで通路や作業に影響を与えません

建物外周に分散配置することで通路や作業に影響を与えません

狭いスペースへの配置が可能で視界を遮らず開放的です

狭いスペースへの配置が可能で視界を遮らず開放的です

スキップブレース耐震工法

板状高層集合住宅に適した工法で、スリムな部材による制震フレームを外廊下側に設置することで、開放性を確保しながら大きな耐震効果を得ることができます。

川崎市営河原町住宅耐震補強

川崎市営河原町住宅耐震補強

耐震補強工法「3Qシリーズ」

3Qシリーズは大林組の開発した低騒音・低振動(Quiet)、短工期(Quick)で高品質(High-Quality)な耐震補強工法です。低騒音・低振動で省スペースでの施工が可能なため、補強方法や補強対象部位に関わらず、あらゆるRC造建物を使いながら補強できます。

3Qシリーズ

3Q-Wall FRPブロック

3Q-Wall FRPブロック

耐震性とともに採光・通風も確保できる格子状のFRPブロックを組積します

3Q-Wall PCaブロック

3Q-Wall PCaブロック

品質・信頼性に優れた小型のプレキャストブロックを組積します

3Q-Brace

3Q-Brace

型枠兼用の鋼管を用いた溶接作業の必要のない補強工法です

既存天井の落下防止構法「フェイルセーフシーリング
業界で初めて建築技術性能証明を取得

フェイルセーフシーリングは、大規模地震時に損傷して落下しようとする天井材を一時的に保持し、施設利用者の避難時間と避難空間を確保するための構法です。既存の天井を解体せず、建物を使いながら施工可能で、既存天井を解体して新しく耐震天井を張り替える方法と比べて工期・コストを約40%に抑えることができます。
安心感の高いフラットバー(アルミ製平鋼)+ネットタイプと天井板のデザインへの影響が少ないストリングタイプがあり、ニーズに合わせて選択できます。

ファイルセーフ機構模式図

フラットバー+ネットタイプ

フラットバー+ネットタイプ

ストリングタイプ

ストリングタイプ

特殊形状の天井にも設置可能

適用事例
アピオあおもり(青森県男女共同参画センターおよび青森県こども家庭支援センター)

煙突リニューアル

豊富な経験とノウハウに裏づけされた最新の技術力で、既存煙突の機能を回復・向上させます。

大林組の煙突リニューアル

超高煙突の設計・施工で多くの実績と高い技術力を持つ大林組は、これまでの経験と知識をもとに、既存煙突のさまざまなリニューアル・ニーズにも的確に対応しています。

調査・診断から補修、改修、補強、さらには解体に至るまで、大林組の煙突リニューアル技術は、お客様に確かな満足とメリットをお届けします。

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