制震技術
ブレーキダンパー
- ステンレス板とブレーキ材の間に生じる摩擦力により建物の揺れのエネルギーを吸収するダンパーです。
- 皿ばねを組み込んだボルトセットを用いることで摩擦面の締め付け軸力を一定にし、安定したエネルギー吸収性能を発揮します。
- 大地震でも損傷しないため取り替えやメンテナンスの必要がありません。
- ブレース型や間柱型など、建物に応じた適用形態を選択することができます。
粘弾性カラムダンパー
- 鋼板に挟み込まれた粘弾性体が変形することでエネルギーを吸収するダンパーです。
- 大地震だけでなく、小地震や強風による建物の揺れの低減にも効果を発揮します。
- 耐久性に優れており、メンテナンスも不要です。
Y形ブレース・ダンパー
- 粘り強くエネルギー吸収能力の高い部材(リンク)を架構に組み込み、地震エネルギーをそこに集中させて吸収するシステムです。
- 中小規模の地震時には剛性部材として働き、建物の変形を抑制します。
- 大地震時にはリンク部分が先に降伏・損傷することでエネルギーを吸収し、主架構の安全性を確保します。
- シンプルなシステムでローコストであるうえ、大地震後には損傷したリンクを交換することで性能を回復できます。
RCカラムダンパー
- RC製の高靭性柱が他の部材より先行して曲げ降伏し、地震時のエネルギーを吸収して制震効果を発揮するシステムです。
- RC造・SRC造で中・大地震(震度4~6)に有効です。
- RC製で構造がシンプルなため、ローコストです。また、高い耐久性・耐火性を有します。
- 工場生産のプレキャスト部材であるため、高品質で工期短縮に貢献します。
- 高靭製柱の本数や高さ・鉄筋量などを調整することで、必要な剛性や耐力にきめ細かく対応できます。
ウォールダンパー 「SWA (Sliding Wall Absorber)」
- 水平スリット部を有する壁板と側柱・上下梁で構成され、高性能・低価格のRC造壁型制震装置です。
- 壁脚部の水平スリット部分に設けられたダンパー筋(丸鋼)の塑性変形により、中小地震から大地震まで優れたエネルギー吸収性能を発揮します。
- ダンパー筋の径や本数を変えることで、容易に剛性・耐力の調整が可能です。これにより、建物の偏心率・剛性率を最適にし、バランスの良い建物とすることができます。
- 中規模以下の地震ではほとんぼ損傷しないので、日常のメンテナンスは不要です。百年に一度の大地震でも若干のひび割れ補修するだけで継続使用が可能です。
- 所定の構造性能を発揮させるため「SWA設計指針」と「SWA施工指針」を作成し、財団法人日本建築総合試験所の「建築技術性能評価」を取得しており、高い信頼性があります。