11月9日、第6回「ものづくり大賞」の表彰式が総理大臣官邸で行われ、大林組が開発した「海水を使った高耐久コンクリート構造物の建設技術」(海水練りコンクリート)が内閣総理大臣賞(製品・技術開発部門)を受賞し、大林組技術者2人が安倍晋三首相から表彰されました。
ものづくり日本大賞は、豊かな国民生活の形成に貢献してきたものづくりを継承し、発展させていくため、製造・生産現場や伝統文化などを支える幅広い人材の中から、特に優れた成果を上げた個人、グループを顕彰するものです。2005年から隔年で開催しており、今回で6回目を迎えます。
海水練りコンクリートは、真水の代わりに海水を使用します。高炉スラグやフライアッシュ(※1)などの産業副産物と、炭素繊維などの腐食しない補強材を用いることで、耐久性や強度の高い構造物を建設できるコンクリートです。
産業副産物を有効活用でき、運搬に伴うCO2排出量を削減できることから、環境負荷の低減も図っています。
今回の受賞では、港湾構造物や舗装などの工事に適用している点、自然災害に対する防災・緊急工事をはじめ、真水の少ない離島や沿岸部、海外でのインフラ施設の建設に貢献できる点などが評価されました。
今後は海水練りコンクリートの高い遮水性を活かし、放射性廃棄物処分場などへの展開をめざします。
大林組はこれからも、環境の変化に柔軟に対応し、新たな付加価値を生み出す技術の開発に努めるとともに、日本のものづくりの精神を未来に受け継いでまいります。