9月20日、英国 ロンドンで開かれた英国トンネル協会(BTS)主催の技術セミナーで、大林組副社長の金井誠が講演を行い、250人を超える出席者が受講しました。
BTSは英国土木学会の関連団体で、700人以上の個人会員と60社以上の法人会員が加盟しており、月に一回程度、英国内外から講演者を招き、最新のトンネルプロジェクトやトンネル技術に関する講演会を行っています。
今回の講演では、シールドマシンを地上から発進させ、トンネルを構築して、再び地上に到達させるURUP(ユーラップ)工法を採用した、首都高速道路「中央環状品川線大井地区トンネル工事」をはじめとする4つのプロジェクトを紹介。URUP工法を実現するための、掘削土を計測する方法など専門的な技術も説明しました。
質疑応答時には多くの質問が寄せられ、大林組の施工の技術に対する関心が非常に高いことがうかがえました。講演後には受講者から「日本の進んだ技術を英国にも導入したい」などの感想が寄せられました。
また、翌9月21日には英国の総合エンジニアリング・コンサルタント会社へのプレゼンテーションも行い、練り混ぜ水に海水を用いた「海水練りコンクリート」や台形に掘削することで支保工を減らす「斜め自立土留め工法」、東京スカイツリー® でも採用された節付き杭「ナックルウォール」なども紹介しました。
両日共に、ヨーロッパ地域の社会資本整備に貢献できる日本の技術を提案する、貴重な機会となりました。
大林組は、これからも国内、海外を問わず、最新の技術を持って地域の社会資本整備に貢献するとともに、今後も、お客様がどのような問題を抱え、その解決にはどのような技術が必要か、またその技術を社会的な課題の解決にどのように活かすことができるかを考えながら、技術開発を進めてまいります。
URUP工法の特長(従来工法との比較)
従来工法(開削工法)では、まず作業用の立坑を掘り、それらをつなぐトンネルを掘ります。また、トンネルに続く斜路も掘削するので、手間も時間もかかっていました。
URUP工法は地下を一気に掘り進めるので、従来の工法に比べて3分の1の期間で工事を完了できます。また、立坑を掘るための騒音や振動がなく、近隣への影響が少ないこともメリットです。