礎の時代

1925年(大正14年)

大阪ビルヂング

大阪ビルヂング

この年

大林組は日本における最初の本格的アパートを施工した。前年の8月に着工、この年の6月に竣工した御茶の水の文化普及会文化アパートである。地下2階、地上4階、42戸103室、当時としては最高級住宅だった。貸間一畳につき1円が相場の時代に、六畳一間で60円したという。大学での初任給が35円ほどの頃である。もちろん、庶民には高嶺の花で、入居者の6割が外国人だった。このころ、大阪市は近隣44町村を合併する第二次の市域拡張を行い、市域面積、人口、工業生産高、港湾荷扱い高で東京を抜き去り、文字どおり日本一の大都市となった。

Photo

  • 大阪ビルヂング
  • 日本初の本格的アパート、御茶の水の文化普及会文化アパート
  • 主婦之友社
  • 天神橋新淀川間高架橋

1925年の大林組

1月
農商務省大阪倉庫竣工
2月
鉄道省山手線5工区新宿駅本屋ほか竣工
6月
御茶の水の文化普及会文化アパート竣工
8月
新京阪鉄道天神橋新淀川間高架橋竣工
8月
主婦之友社竣工
10月
大阪ビルヂング竣工
11月
社長・大林義雄、日本土木建築請負業者連合会会長に就任
12月
貴族院(仮議事堂)竣工
12月
三菱仲28号館竣工
横浜支店、名古屋支店開設

社会の出来事

3月
ラジオ放送を開始
3月
中島商店(現・キューピー)が初の国産マヨネーズを発売
4月
農林省と商工省が設置される
4月
治安維持法公布
9月
東京六大学野球リーグ始まる
細井和喜蔵「女工哀史」

建設業界の動き

4月
パリでアール・デコ展が開幕。ル・コルビュジエの「理想都市」構想が脚光浴びる
9月
土木業協会設立(鉄道請負業協会と協和倶楽部が合体)
11月
上野−神田間高架線開通により山手線の環状運転開始
r