この年
この年、大林組は東と西で二大鉄道工事を受注した。東の東京中央停車場(現・東京駅)と、西の大阪電気軌道(現・近畿日本鉄道)の生駒隧道(生駒トンネル)である。後者は、大阪府と奈良県の間にそびえる生駒山系に全長3,888mの複線広軌のトンネルを掘るという、他に類を見ない大工事であった。きわめて難工事となったが、社長の大林芳五郎は「大林ある以上如何なることがあっても貫徹する」と断言。その言葉どおり、3年後の1914年に完成させた。
Photo
1911年の大林組
社会の出来事
- 3月
- 東京・丸の内に帝国劇場開場(全椅子席の洋風劇場)
- 5月
- 三越呉服店で「今日は帝劇、明日は三越」の名コピーが使われる
- 5月
- 浅間山が大噴火
- 7月
- 米英などとの通商条約改正(関税自主権確立)
- 12月
- 小学校の就学率98%となり、義務教育制がほぼ定着
- 12月
- ノルウェーの探検家アムンゼンが初めて南極点に到達
建設業界の動き
- 3月
- 工事法公布(1916年9月1日施行)
- 4月
- 東京・日本橋の開通式(石造アーチ式の橋)
- 9月
- 建築業有志協会設立(のちの建築業協会)
- 9月
- 最初の全鉄筋コンクリート造のオフィスビル「三井物産横浜ビル」が完成