独占禁止法遵守プログラム

制定 2006年10月31日
改正 2019年4月1日

区分※ 具体的な取組み
「許さない雰囲気」の醸成(統制環境)
  1. 「定款」に「法令遵守及び良識ある行動の実践」を規定
  2. あらゆる機会を通じた経営トップ層による独占禁止法遵守の表明、宣言(※)(次代の経営陣に受け継ぐ仕組みの構築)
    (※)
    • 事業活動の全てにおいて法令遵守が優先し、不正行為による受注は会社として一切求めていないこと
    • 法令違反行為に自己正当化する理由はないこと
    • 上司の指示であったとしても法令違反行為は許されるものではないこと
    • 競合となる可能性のある同業他社からは、受注意欲等の情報交換は一切行わないこと
    • 部門間の垣根をなくし、互いに指摘し合える企業文化を醸成すること
  3. 違反した場合の個人への損害賠償を含めた厳正な社内処罰の実施
  4. 経営トップの決意表明、社内処罰など必要な情報を適時に開示
  5. 大林組基本理念」において、事業活動を行ううえでの「企業行動規範」を規定し、イントラネットのトップページに掲載
  6. 不正を指摘できる風通しの良い企業文化の醸成
    • 上司に対しても積極的に意見を具申でき、誤りがあれば指摘できる雰囲気であることが、危機の未然防止につながり企業価値を高めるという意識を社内で共有するべく、人事考課において「上司への積極的な意見具申」を評定項目とするとともに、定期研修において意識付けを行う
  7. 推薦委員会は、取締役候補者の選定にあたり、独占禁止法ほか各種法律への順法意識のレベルを判断基準の一つとする。
リスクの評価と対応
  1. 独占禁止法違反リスクに即したマニュアルの整備
    1. (1)独占禁止法違反リスクの高さや内容を把握したうえで、当社の事業活動における違反リスクの洗い出しを行う
    2. (2)部門ごとに具体的な行動指針が示されるよう留意する
  2. 独占禁止法に関する相談窓口の設置(本社法務部)
    法務部は、事業部門からの法務相談を積極的に受け付ける体制を構築する
「させない仕組み」の構築(統制活動)
  1. 独占禁止法遵守のための行動指針の制定、体制の整備
    1. (1)大林組基本理念」の制定及び見直し
    2. (2)企業倫理委員会の設置・運営(委員長:社長、事務局:本社総務部)
      1. 年間4回程度開催することとし、必要に応じて取締役会に活動状況を報告する
      2. 各店に支店企業倫理委員会を設置し、自主的な企業倫理推進活動を行う
      3. 年1回、施策の運用状況を検証し、必要な改善策を検討する
    3. (3)企業倫理推進体制の整備
      企業倫理責任者 役付執行役員、支店長
      企業倫理推進者 部門長
      企業倫理推進担当部門 本社総務部
    4. (4)グループ会社における企業倫理の取組みの定着促進
      1. グループ会社に当社の取組みを水平展開する
  2. 独占禁止法遵守マニュアルの周知徹底(※)、実施状況の把握
    (※)
    営業活動において誤解しやすい事柄や判断に迷う事柄を重点的に解説
  3. 談合行為等に直面した場合の行動プログラムの周知徹底
  4. 役員・従業員に対する定期的かつ継続的な講習会・研修会の実施
    1. (1)企業倫理責任者(役付執行役員、支店長)による企業倫理推進者(部門長)研修の実施
    2. (2)企業倫理推進者(部門長)による職場内倫理研修の実施
      1. 教材に基づくレクチャー方式のほか、事例を踏まえ、「自分の職場で起きうるか?」などを職場内で討議してもらう方式とする
      2. 企業倫理推進者は、職場の受講者から受講済みのサインを取得し、本社総務部に提出する
    3. (3)企業倫理推進者による職場内倫理研修終了後、全役職員を対象としたeラーニングを実施し、効果を測定する
    4. (4)取締役・執行役員向けの独占禁止法遵守研修を実施する
    5. (5)階層別並びに営業担当者及び技術部門担当者向けの独占禁止法遵守研修を実施
      1. 研修担当部門は、受講者から受講済みのサインを取得する
    6. (6)コンプライアンス担当役員による各店巡回指導を実施
      1. 各店幹部を対象に個別面談方式によるヒアリングと指導を行う
  5. 個別具体的な統制・管理
    1. (1)全部門の部長クラス、営業部門及び営業支援部門の所属員から「独占禁止法を遵守し、違反する行為は絶対に行わない」旨の誓約書を徴収
      (本人はもとより、部下が違反した場合であっても、その上司を含めて厳しく処分するという内容)
    2. (2)同業者との会合等(電話、メールも含む)は全て上司に報告のうえ承認を受ける
    3. (3)業界団体や技術団体及び発注者が主催する公式行事を除き、同業者が同席する懇親会は原則として参加禁止とする
    4. (4)工事応札に際しての社内決裁書類に「独占禁止法遵守誓約捺印欄」を設ける
      (見積金額の算出や入札(提出見積)金額決定など工事応札に至るプロセスにおいて談合行為のないことを応札責任者が常にチェックし、同欄に捺印する)
    5. (5)共同企業体を組成して入札参加する際に、構成員間で法令遵守を誓約する書面を取り交わす
    6. (6)スーパーゼネコンとのJV組成にあたっては、組成理由を明確にしたうえで土木・建築本部の事前承認を得る
    7. (7)土木本部は、応札決定等のプロセスについて、フローを文書化するとともに、判断の結果や理由を記録化し、関係部門間で共有する
    8. (8)社外団体入会時には、規約等に独占禁止法上の問題がないか、担当部署によるチェックを受ける
    9. (9)国家公務員倫理法の適用対象者等(国家公務員、地方公務員、みなし公務員)と会食等をした場合には、書面により報告させる
適時的確な情報の伝達(情報と伝達)
  1. 情報が適時・的確に伝達される体制の整備と周知
    1. (1)内部通報制度として企業倫理通報制度を整備する(社内窓口を監査役及び企業倫理委員会事務局に、社外窓口を外部の弁護士事務所にそれぞれ設置する)
    2. (2)企業倫理通報制度を全役職員へ年2回周知し、以下を説明することで同制度の信頼性向上を図り利用を促進する
      1. 内部通報によりその後、不利益取扱いされることは断じてないこと及び通報者が内部通報によって不利益取扱いされないよう調査にあたって細心の注意を払っていること
      2. 内部通報により違反行為を未然防止することが、会社のみならず、結果として対象行為者を助けることになること
      3. 不正行為が発生し又は発生するおそれがあると判断した場合には、自己の関与の如何にかかわらず、職制を通じた報告又は窓口への通報が義務付けられていること
      4. 入札不正に係る独占禁止法違反又はそのおそれのある行為に関しては、自己が一旦関与してしまった場合であっても、内部通報者に対しては社内処分の減免を図る制度があること(社内リニエンシー)
    3. (3)当社の役員が不正に関与していた場合は調査結果を社外取締役にも報告する
監視と改善(モニタリング)
  1. 独占禁止法遵守の観点からの定期的・継続的な監査・モニタリングの実施
    1. (1)「談合等監視プログラム」等に基づく監査役、監査役会及び監査役室によるモニタリング
    2. (2)企業倫理委員会のメンバーである社外有識者や職員組合委員長など、第三者の視点からのモニタリング
    3. (3)同業者が宛先及び発信元となっているメールの内容を業務管理室がチェック
    4. (4)監査役は、取締役と定期的な面談を通じて独占禁止法遵守状況を確認する
    5. (5)監査役及び業務管理室は、「巻き込まれ談合」のみならず、「役職員自らが談合に関与」していないかの観点からも監査を行う
  2. 企業倫理責任者、推進者による自己点検の実施
    1. (1)企業倫理推進者による自部門の自己点検の定期的な実施
    2. (2)企業倫理責任者は企業倫理推進者が行う職場内倫理研修、自己点検の実施状況を把握する
    3. (3)企業倫理推進担当部門(本社総務部)は、年1回、本プログラムの項目ごとに自己点検を実施し、企業倫理委員会に報告するとともに、必要な見直しを行う
  3. J-SOXの手法を活用した自己点検及びモニタリングの実施
    1. (1)営業部門等は、各業務プロセスにおいて談合行為が行われる潜在リスクとそれを未然防止するためのコントロール手段を対応させたRCM(リスクコントロールマトリクス)に則って、自己点検を実施する
    2. (2)業務管理室は、営業部門等の自己点検とは別に、営業部門等の業務管理状況をモニタリングする
    3. (3)業務管理室は、サンプリング調査として各店の失注案件を含めた応札案件(公共工事及び民間工事とも)についてウォークスルー監査を実施する(ヒアリング対象者は営業部門のみならず見積担当者等も含める)

※大林組は「独占禁止法遵守プログラム」を有効に機能させるために、これまで行ってきた個々の取組みをCOSOモデル(内部統制システムの有効性を評価するためのツールであり、事実上の世界標準として知られている)に従って区分しています。
COSOモデルでは、企業における内部統制の目的を3つ( 1.業務の有効性、効率性 2.財務報告の信頼性 3.関連法規の遵守 )に分類しており、これらの目的を達成するためには、それぞれの目的における5つの要素(1.統制環境 2.リスクの評価と対応 3.統制活動 4.情報と伝達 5.モニタリング )が日常の業務プロセスに組み込まれ、有効に機能していることが必要とされています。

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