切羽前方予測技術

トンネル弾性波探査による湧水帯の予測

大量湧水・突発湧水を予測して崩落を防止。掘削工事の中断を最小限に抑えます

山岳トンネル坑内の発破によって行う弾性波探査(※1)により、切羽(掘削面)前方の脆弱層ばかりでなく帯水層も予測し、事前に大量湧水帯や突発湧水帯を把握する技術です。排水・濁水処理施設を事前に増設して周辺環境への影響を防ぎ、最適な補助工法を選出することで切羽の崩落や変状を防止します。
 

弾性波探査による切羽前方湧水帯予測

弾性波探査による切羽前方にある湧水帯予測

 

1 反射波を測定するだけで脆弱層や帯水層を予測します
  • トンネル坑内の発破によって生じた振動は岩盤中を伝わり、切羽前方の地層境界や帯水層の境界で反射し、トンネル坑内に設置された受振装置によって記録されます。その反射波を解析することにより、脆弱層や帯水層の分布を予測します。
  • 弾性波探査を最初に行うことで、水抜きボーリング(※2)の計画や準備にも役立ちます。
2 大量湧水や突発湧水を予測します
  • 地下水に対するP波速度(Vp)とS波速度(Vs)の特性の違いを利用し、Vp/Vs比の大きさやその変化から大量湧水や突発湧水の予測を行います。予測は既往の検証データを基に行います。
3 各種調査方法と組み合わせて総合評価します
  • ノンコア削孔調査など他の前方調査と組み合せることで、総合的な前方探査が可能となります。

湧水予測評価のイメージ図

湧水予測評価のイメージ図

 

※ 1 弾性波探査
地表や地中での発破などによって人工的に発生させた弾性波(縦波:P波、または横波:S波)が直接または屈折、反射して地層中を伝播する状況を地表、ボーリング孔内、トンネル坑内などに設置した測定装置で観測し、その結果を解析して地下構造を解明する方法

※ 2 水抜きボーリング
湧水処理の一方法で、切羽から奥の地山に施工し、地山中の地下水を絞り出して作業箇所の地下水位を低下させ、切羽の掘進を容易にする

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