山岳トンネルの湧水予測と対策

トンネル切羽前方湧水探査・対策工選定システム

破砕帯・帯水ゾーンの探査と水抜き対策の選定で突発湧水を防止します

山岳トンネル工事では、安全と工程を確保するため、事前に地質探査を行い適切な対策を講じる必要があります。ノンコア(※1)切羽前方探査によって断層破砕帯などの多量湧水ゾーンを把握し、湧水量・地下水頭を計測するとともに、有効な水抜き対策工を選定することで、突発湧水を防止するシステムです。
 

切羽前方探査により断層破砕帯と帯水ゾーンを把握

切羽前方探査により断層破砕帯と帯水ゾーンを把握

 

1 長距離を探査し帯水ゾーンを正確に把握します
  • ノンコアボーリングにより150~200mまでを前方探査し、断層破砕帯の位置・性状と同時に、湧水量を連続測定することで帯水ゾーンを正確に把握できます。
  • 帯水ゾーンを検知した場合には孔内にパッカーを設置して湧水圧を計測できるシステムで、地下水位(地下水頭)を把握できます。

 

削孔中に湧水量を常時計測

削孔(さっこう)中に湧水量を常時計測

削孔ロッドにパッカーを装着し、孔内に挿入して湧水圧を計測

削孔ロッドにパッカーを装着し、孔内に挿入して湧水圧を計測

削孔検層による破砕帯と帯水ゾーンの把握

削孔検層による破砕帯と帯水ゾーンの把握

 

2 切羽の安定性を監視します
  • 切羽不安定化の指標である動水勾配を管理して突発湧水に伴う切羽流出などを防止できます。

動水勾配を管理し切羽の不安定化を防止

動水勾配を管理し切羽の不安定化を防止

 

3 湧水量の経時変化を予測します
  • 探査結果から地下水解析により、トンネル湧水量の経時変化を予測します。
4 最適な対策工を迅速に選定します
  • さまざまな対策工の水抜き効果をあらかじめ計算しておき、探査後、湧水量・湧水圧などの実測データを用いて各工法の効果を比較することで、最適な対策工を迅速に選定します。

「解析による水位の経時変化予測」と「湧水量経時変化予測から対策工選定」

 

 

突発湧水の対策工の模式図

突発湧水の対策工の模式図

 

※ 1 ノンコア
岩石サンプルを採取しない

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