1月16日、神奈川県私学会館にて、大林組技術研究所の副所長が高校の数学の先生方に「建物の耐震安全性の未来と数学の役割」についての講演を行いました。
この講演は、神奈川県高等学校教科研究会数学部会と私立中高等学校協会数学科専門委員会が共同で開催したものです。各界で活躍する専門家を招き、実社会で高校数学がどのように活用されているかを学ぶことで、県内の高校の数学教員の知見を深めることを目的としています。
1983(昭和58)年の入社以来、耐震に関する研究に取り組んできた副所長は、建物が地震によって受ける力、建物に求められる強度などを数学的に解明するなど、耐震技術の概要を説明しました。
「耐震設計を万が一のときの保険と考えた場合、その保険にどれくらいの必然性があり、どの程度の耐震性を確保すべきか、は専門家にも判断が難しい」と述べた副所長。「しかし数学を用いればいろいろなことが客観的に説明できる」とし、命を守る耐震設計において、数学がいかに大きな役割を果たしているかを語りました。
また大林組の最先端耐震技術の事例として、地震でも揺れない「ラピュタ2D」、東京スカイツリー®のアンテナ用鉄塔 ゲイン塔の揺れを抑える制振装置などを紹介しました。
講演に参加した先生方の声をご紹介します。
地震予想最大損失額(PML)に興味を持ちました。数学の「確率」が実際の生活に役立っている事例として面白いと思います。
今日の講演内容に関心がある理系の生徒は多いと思います。彼らにも聞かせたかったです。
大林組の技術研究所(東京都清瀬市)に、ぜひ高校生を連れて行きたいです。
大林組は、これからも耐震技術の研究を通して災害に強い街づくりに取り組むとともに、長年培ってきた科学技術と知恵を、未来のエンジニアに伝えてまいります。