少子高齢化に伴い、建設業界では技能労働者の確保が大きな課題となっています。過去の建設投資の減少により、技能労働者数も減少の一途をたどってきましたが、大幅に減少した担い手を一気に増やす特効薬はありません。計画的に人数を増やしていくには、新規入職者の増加を図るとともに、現在の担い手の処遇を改善していくことが重要です。
対策の一環として、株式会社大林組(本社:東京都港区、社長:白石達)は、大林組林友会(大林組の協力会社が構成する組織。以下 林友会)と連携して大林組林友会教育訓練校(以下 訓練校)を設立し、若年技能労働者の育成・支援を推進してきましたが、このたび、訓練校の職業訓練が、東京都からゼネコン初の「広域団体認定訓練」に認定されました(厚生労働省の制度を活用)。
また、この認定を機に、大林組と林友会は、訓練校に新たなインセンティブ制度の導入を決定しました。
- 「広域団体認定訓練」について
広域団体認定訓練は、2つ以上の都道府県に所在している会社等を対象に実施することなどが認定要件となっています。認定を受けることにより、訓練校は訓練にかかる経費等についての助成を受けられ、訓練生を派遣する会社は、訓練期間中に支払う賃金と派遣にかかる経費等について助成を受けられます。この訓練生に支払う賃金などへの助成(キャリア形成促進助成金)に加え、認定訓練の受講に当たっては建設労働者確保育成助成金も支給されるので、派遣する会社は従来よりも負担が減少し、社員に教育を受けさせやすくなります。
【訓練生を派遣する会社に支給される助成金の例】
(1)キャリア形成促進助成金(訓練期間中の賃金に対する助成)
助成額:(対象となる訓練時間)×(1時間当たりの単価)(2)キャリア形成促進助成金(受講料等、経費に対する助成)
助成額:経費(受講料)×1/2(3)建設労働者確保育成助成金(訓練期間中の賃金に対する助成)
助成額:(対象となる訓練日数)×(1日当たりの単価)
- 訓練校に導入したインセンティブ制度について
大林組と林友会は、2014年4月に訓練校を開講し、2015年4月からは若年技能労働者の育成強化に向け、訓練生の増員とカリキュラムのさらなる充実を図っていく予定です。しかし、これまで協力会社にとっては、社員に教育を受けさせたい一方、人手がひっ迫している中で訓練生を派遣し、賃金を支払うことが大きな負担となっていました。また、教育を受ける訓練生にとっては、1回だけの受講で今後のキャリアを見通すことは難しく、技能や経験年数に応じた支援策が必要になってきました。
これらの課題を踏まえ、大林組と林友会は、訓練生がスーパー職長(※1)になるまでのキャリアプランを策定し、訓練生の資格取得のフォローアップと協力会社の支援を目的にインセンティブ制度の導入を決定しました。
大林組は、技能労働者の処遇改善とモチベーションの向上を図るとともに、協力会社にかかる負担を軽減することで、建設業界の担い手の増加と技能の底上げをめざします。
【インセンティブ制度の概要】
(1)資格奨励金(支給対象:協力会社)
(2)資格報奨金(支給対象:訓練修了生本人)
【大林組と林友会が想定するキャリアプラン】
入社4~7年目:2級技能士検定資格を取得(クラスC)
入社8~12年目:1級技能士検定資格を取得(クラスB)・・・新任の職長
入社13~17年目:登録基幹技能者検定資格を取得(クラスA)・・・スーパー職長の候補
入社18年目~:スーパー職長として活躍(クラスS)・・・スーパー職長
以上
この件に関するお問い合わせ先
大林組 CSR室広報部広報第一課
TEL 03-5769-1014
プレスリリースに記載している情報は、発表時のものです。