地盤変状抑制
ジオフレックスビーム工法
小土被りシールド工事における地盤変状を抑制します
ジオフレックスビーム工法とは?
鉄道や道路直下を小土被りでシールド工事を行う際の地盤変状を抑制する技術です。シールド工事に先立ち、曲線削孔が可能な自在ボーリングを用いて地表面からシールド上部の地盤を削孔し、織布(しょくふ)の袋材にグラウトを充てんした長尺な梁状の補強体を構築します。
補強体の直径は150㎜、長さは50mまで施工可能です。
お客様のメリット
地盤変状を抑制できます
- 地盤中に補強体を造成することで、小土被りシールド工事でも地表面の地盤変状を抑制できます。
周辺住民への影響を最小限に抑えられます
- 地表面から施工でき立坑が不要なため、施工時の通行止めなどによる周辺住民への影響を最小限に抑えることができます。
- 小型機械を使用するため、低騒音・低振動で施工ができます。
シールドトンネルなどの掘進工程に影響しません
- シールド工事や推進工事に先立って施工できることから、掘進工程に影響を与えません。
高い施工精度を有しています
- 既設埋設管などの地中障害物を曲線削孔で避けながら、長尺の補強体を地盤中に精度よく造成することができます。
【実績・適用例】
●施工性の確認
実証工事により、削孔から補強体造成までの一連の工程における施工性を確認済みです。線形変化への対応や想定埋設管の回避を行いながら、精度よく補強体を造成できています。
●地表面変位の解析
小土被りシールド工事にジオフレックスビーム工法を適用した場合の地表面への影響を把握するため、上載荷重と地表面変位の関係をFEM解析によって求めています。
関東ロームを対象地盤とした解析結果では、直径150㎜補強体で造成ピッチ0.9mの場合、上載荷重32kN/m2程度(列車荷重相当)に対する地表面沈下は約4㎜という結果が得られています。
(参考)JR東日本の在来線 軌道整備基準値
高低:15~24㎜(/10m)
出典:設計マニュアル 第1巻 Ⅰ共通編 近接工事
設計施工マニュアル、2004年12月、東日本旅客鉄道
●補強体が支持する極限荷重の確認
ジオフレックスビーム工法の設計法の確立を目的として、実際の地盤内に造成した補強体に対して非開削工事を模擬した掘削および載荷試験を実施し、造成した補強体が支持する極限荷重を確認しています。その結果、地盤内の補強体1本当たりの極限荷重は約10kNとなる結果が得られています。