鉄道高欄の補修・補強工法

スムースボードによる高欄リニューアル工法

既設高欄を撤去せずによみがえらせます

経年劣化したコンクリート製高欄を撤去せずにそのまま利用し、補修・補強する工法です。既設高欄の両面に隙間を設けて高じん性セメントボード(スムースボード)を配置し、その隙間に充てん材(モルタル)を注入することにより既設高欄とボードを一体化します。スムースボードにより、既設高欄の補強に加えて長寿命化を図ることができます。

高欄リニューアル工法の概要

スムースボードによる高欄リニューアル工法の概要

1 環境負荷を最小限に抑制します
  • 既設高欄の撤去作業がないため、騒音・振動を抑制できます。
  • 既設高欄をそのまま利用するため、産業廃棄物の発生を最小限に抑えられます。
2 既設高欄をよみがえらせます
  • スムースボードは緻密な構造であり、コンクリートの劣化要因となる塩分、炭酸ガス、水分などを遮断し、既設高欄を保護するため、耐久性の優れた高欄によみがえらせます。
  • スムースボードとモルタルとの付着力が長期間確保され、既設高欄と一体化できるため、既設高欄を補強することもできます。
3 施工性に優れ、列車間合い作業が可能です
  • スムースボードは薄型で軽量なため、人力での施工が可能で、列車間合い作業にも対応可能です。また、リニューアル工事中も既設高欄があるので安全に列車通行できます。
  • スムースボードは既設高欄の形状に合わせて、施工現場で孔あけや切断などの加工が容易です。
4 コストを20%縮減できます
  • 既設高欄の撤去、処分が不要で、さらに工期も短縮できるため、従来工法に比べ工事コストを20%縮減できます。

鉄筋コンクリート梁をスムースボードにより補強した試験体に対して,曲げ載荷試験を実施。良好な付着性能を有していることを確認。

鉄筋コンクリート梁をスムースボードにより補強し、曲げ載荷試験を実施。良好な付着性能を有していることを確認

薄肉・軽量で曲げに強いスムースボード

薄肉・軽量で曲げに強いスムースボード

【実績・適用例】

  • 北総鉄道株式会社、四国旅客鉄道株式会社などの鉄道高架橋高欄など(約2万5,000m2
  • 本工法を既設鉄道高欄へ適用する際の設計・施工指針が2013年3月に公益財団法人鉄道総合技術研究所から発行

駅舎部高欄補修工事の事例

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高架橋防音壁嵩上げ工事の事例

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高靱性セメントボードを用いた既設鉄道高欄などの補修工法に関する設計・施工指針

 

図書名
高靱性セメントボードを用いた既設鉄道高欄等の補修工法に関する設計・施工指針
発行元
公益財団法人鉄道総合技術研究所
発行年
2013年3月

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