被害情報集約システムとは?
震災時の事業継続計画(BCP)の実効性を高めるため、携帯電話のパケット通信機能を利用して、建物やインフラの被害情報を集約するシステムです。
被災現場に駆け付けた調査員が携帯電話に地図を表示し、あらかじめ地図に登録された施工済み物件と施工中物件の位置と概要を確認します。その後、被災状況写真の送信などで状況を報告し、情報を対策本部の地図稼働パソコンへ自動的に集約する仕組みとなっています。
システムのベースとなるのは建物概要データで、大林組は阪神・淡路大震災直後から15年以上、全国の施工済み物件の概要データを定期的に更新し、デジタル地図上に位置付けています。お客様の建物の基本情報を継続して運用管理しており、緊急時の建物被害状況の迅速な把握と顧客フォローが可能です。
お客様のメリット
1 不特定の要員による調査・報告も可能
- 緊急時には、被災物件の最寄りの不特定要員が調査する方が即応性の高い場合もあり、混乱が想定される初動時には、任意の物件であっても建物情報の迅速かつ確実な把握ができる機能が必要です。
- 携帯電話に表示される地図と建物概要情報を確認したうえで、カメラ機能による写真データなどの送付で被害状況報告ができるので、当該物件の担当者がやむをえず駆け付けられない場合でも、最寄りの要員が迅速に代替することが可能です。
- 既に調査した物件か否かなどの状況も確認でき、重複を防いだ効率の良い調査が可能となります。その他には、携帯電話の位置周辺の被害状況を報告する機能や、物件名や住所で検索して建物概要情報を確認する機能もあります。
2 登録した被害報告データが対策本部の地図稼働パソコンへ自動的に集約
- 各自が登録した被害報告は、対策本部の地図稼働パソコンに自動的に集約され、デジタル地図上に展開された物件の調査状況や報告内容を容易に確認できます。
- 震災時には大林組が保有する地震被害予測システムと重ねて地図上に表示でき、揺れの強い地域や液状化の危険度が高い地域の建物やインフラを導き出し、優先度の判別も可能となります。
3 災害時にも利用可能性の高いシステムを実現
- 緊急時の通信手段として期待されるのが、電力が止まっても使える可能性が高いとされている携帯電話のパケット通信機能です。
- 携帯電話のパケット通信機能を利用するので「災害時の利用可能性」と「日常利用による操作の習熟度」が向上し、緊急時での実用性・実効性を高めます。