株式会社大林組(本社:東京都港区、社長:白石達)は、大林組技術研究所(東京都清瀬市)本館テクノステーション(以下 テクノステーション)において、2014年度の運用実績で、エネルギー消費量を施設の再生可能エネルギー発電量ですべて賄うエネルギー収支ゼロのZEB(ゼロ・エネルギー・ビル)(※1)を達成しました。
大林組はZEBへ先進的に取り組むため、最新の環境技術と省エネ技術を導入したテクノステーションを2010年9月に建設しました。テクノステーションでは、2011年度に本格的なエミッションZEB(※2)を達成して以降、高効率な省エネ設備機器の導入や運用改善を重ねて、CO2排出量を削減し続けてきました(図1参照)。
2014年度には、年間のエネルギー収支ゼロのZEBをめざし、再生可能エネルギー発電設備の追加導入を行いました。また、景気回復に伴う業務量の増加により、建物の運用時間が増えたにもかかわらず、さらなる省エネ運用手法の導入やコージェネレーション排熱(※3)の建物間融通の手法などにより、エネルギー消費量を2013年度以下に抑制しました。
これにより、オフィスとしての快適な室内環境を維持しながら、エネルギー消費量すべてを施設に付随する再生可能エネルギー発電量で相殺するZEBを達成しました。
社員食堂など一般的なオフィスとしての施設が充実し、日常的に約200人以上が執務する規模の建物で、コンセントの使用電力などを含むすべての一次エネルギー消費量におけるZEB化は国内初です。
これまで、自然光や自然換気、太陽光発電などの自然エネルギーの利用や、ICタグによる照明・空調制御などの次世代設備の採用、エコ意識を促す「見える化」などを進めてきました。
今回の「ZEB」化で導入した主な手法は以下のとおりです。
- 空調・給排水・照明機器の制御の改善と高効率化
- コージェネレーション排熱の有効利用
- 環境緑地をそのままに、敷地内建物の上部空間を利用した新たなる再生可能エネルギーの導入による買電量の削減
さらに、テクノステーションでは、送電網の系統へ不安定な影響を与える恐れがある電力逆潮流(※4)を低減するため、セルフデマンドレスポンス(※5)を検証しました。休日など再生可能エネルギー発電量が電力使用量を上回った際には、余剰電力を使用して蓄熱、蓄電し、発電が不足する時間帯にシフトして利用するなどの対応の結果、逆潮流をカットできることを確認しました。
大林組は、最先端のZEB技術とノウハウの活用により、建物の省エネルギー化や環境配慮などのニーズに高いパフォーマンスでお応えし、持続可能な社会の実現をめざします。
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