株式会社大林組(本社:東京都港区、社長:白石達)は、大形タイルのようにデザイン性に優れ、割れ・荷重に強く、従来のタイル張り工法と比較して5割の省力化を図ったデザイン床工法「リニアートフロア」を開発しました。
大形タイル床は、タイル形状が大きくなればなるほど、水平に床と密着させるには労力と熟練技能を要します。また、大形タイルは下地とタイルとの間に空隙を生じやすいため、荷重や衝撃により割れやすいこと、さらに、割れたタイルの張り替えに、はつり作業などの手間を要することが課題でした。
今回大林組が開発した「リニアートフロア」は、通常下地調整材として用いられるセルフレベリング材を、コンクリート下地に打設して表面を平滑に施工した後、特殊カッターにより目地を施します。
さらに、塗り床材による着色および目地溝部へのモルタルの充てんにより、本格的な大形タイル張り調のデザインを実現した床工法です。タイルを使わないため、自由なデザイン性に加え、床の割れ・剥離を低減し、メンテナンスも容易に行うことができます。
本工法は、大林組技術研究所(東京都清瀬市)実験施設「オープンラボ-2」の一部(床面積265m2)へ適用しました。
「リニアートフロア」の主な特長は以下のとおりです。
- 省力化・コストダウンが可能
通常、タイルは形状が大きく、規格外の形状になるほど材料・施工コストは高くなります。本工法はタイルを使わず、デザイン目地により大形タイルや規格外のタイル形状を容易に再現できるため、例えば600×1200mm形状の大形タイルの場合では、従来の改良圧着張りに比べ、労務を5割省力化し、材料を含めたトータルコストを4割削減することが可能です。
- 自由な色調・割り付けの床を実現
床面に施す目地溝切りは自由にカッティングでき、多様なパターンの大形タイル調のデザインが可能となります。加えて、表面色も自由に選択できるため、お客様や設計者の意図に合わせた建物の意匠を自在に実現できます。
また、セルフレベリング材の打設厚がほぼそのまま仕上げ厚となるため、従来の工法よりも薄い10mmの仕上げ厚で施工可能です。新築だけでなく、商業施設などのリニューアル時にも、タイル張りでは床の仕上げ厚や重量が十分にとれない箇所で適用できます。
- 耐衝撃・耐荷重性に優れ、床の割れ・剥離を防止
「リニアートフロア」では、タイルを使用しないうえに、床のコンクリート下地に対してセルフレベリング材が隙間なく流れて密着することで、タイル使用時のような表面のひび割れ、剥離といった問題が生じません。また、長期間の使用により消耗が目立つ部分については、塗り床材を再施工することで容易に手早く補修可能です。タイルの張り替えのようなはつり作業などは必要ありません。
大林組は、大形タイル調デザイン床工法「リニアートフロア」を、オフィスのエントランスやショールームなど、高い意匠性を必要とするスペースに積極的に提案し、お客様の多様なニーズに対応していきます。
以上
この件に関するお問い合わせ先
大林組 CSR室広報部広報第一課
TEL 03-5769-1014
プレスリリースに記載している情報は、発表時のものです。
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