5月29日、2015年日本建築学会総会において日本建築学会各賞の贈呈式が行われ、大林組の「皿ばねとブレーキ技術を用いた高性能摩擦ダンパーの開発と展開」(ブレーキダンパー)が、建築に関する学術・技術・芸術の進歩に寄与した優れた業績として日本建築学会賞(技術部門)を受賞しました。
ブレーキダンパーは、強風や地震で建物が揺れたとき、走行中の車がブレーキをかけるようにステンレス板とブレーキ材(摩擦材)の間で摩擦力が発生し、揺れのエネルギーを吸収する制振システムです。
今回の受賞では、ブレーキダンパーが、これまでにない安定した摩擦力を発揮するダンパーであること、新築や改修の建物、大屋根構造物、橋りょうなど50件以上の適用実績があること、今後の建物の価値を高め、さらにインフラ整備への展開も期待できることなどが評価されました。
大林組は、これからも建築技術の開発に努め、建物の安全性向上と居住者の安心に貢献していきます。
ブレーキダンパーの概要
建物の柱や梁の間にブレーキダンパーを設置することで、大小さまざまな揺れを7割程度に抑えます。超高層ビルの揺れ対策をはじめ、既存ビルの制振改修にも適用可能で、繰り返し作動しても損傷しないためメンテナンスも不要です。
構成部材の標準化、ユニット化を図り、建設現場での組み立て施工を実現したことで適用形態が拡大、制振機能も向上しました。社会の要請に柔軟に対応できる制振システムとして幅広い分野で実績を重ねています。
ブレーキダンパーの仕組み
ブレーキダンパーの主な適用実績
2001年の初適用以来、ブレーキダンパーは超高層建物17件、中低層建物33件、荷重制限装置2件と土木分野 1件、計53件に適用しています(うち、既存建物の耐震補強20件)。
【超高層制振建物】
【荷重制限装置】
【中低層制振建物】
【高速道路トラス橋】