7月5日、第15回国土技術開発賞(国土技術研究センター、沿岸技術研究センター共催)の表彰式が東京・丸の内の東京国際フォーラムで行われ、大林組が開発した「2段タイ材地下施工法」が優秀賞を受賞し、太田昭宏国土交通大臣から表彰されました。
国土技術開発賞は、安全に安心して暮らせる国土などの形成をめざして、住宅や社会資本の整備を支えている建設産業の優れた新技術と、その開発に貢献した技術開発者を表彰するものです。
今回受賞した2段タイ材地下施工法は、船舶の接岸や荷役作業を妨げずに、既存の岸壁を補強できる工法です。
近年、海上物流の強化に伴う大型船用の岸壁の増深化や、災害後の輸送機能確保のための耐震化が求められています。
2段タイ材地下施工法は、岸壁の背面に控え杭を打設した後、陸上から斜めに小口径の推進機で掘削して新たなタイ材(高強度のワイヤーロープ)を設置します。岸壁にかかる力を新旧2段のタイ材に分散させることで、増深化や地震に耐えられるよう補強します。
省スペース施工が可能なため岸壁を使いながら改修できるだけでなく、新たに岸壁を構築する従来工法に比べ、費用を40%低減できます。
2010年に宮城県の仙台塩釜港雷神埠頭を2段タイ材地下施工法で耐震補強しました。補強後に、東日本大震災が発生しましたが被害がなく、緊急物資の輸送を行えました。
大林組はこれからも、安全に安心して暮らせる国土形成に貢献するため、新たな技術の開発に努めてまいります。