スリムクリートが「ものづくり日本大賞」内閣総理大臣賞を受賞

100年の耐久性を持つ高強度コンクリートで安全な街づくりに貢献します

サステナビリティ

1月22日、第7回「ものづくり日本大賞」の表彰式が総理大臣官邸で行われ、大林組が開発した常温硬化型超高強度繊維補強コンクリート「スリムクリート工法」が、内閣総理大臣賞を受賞しました。安倍晋三首相から大林組技術者へ表彰状が贈られました。

表彰状を授与される大林組技術者(左)。安倍首相(右)は「人材の力こそ日本経済の未来を拓く原動力となる」と受賞者の今後の活躍に期待を寄せた

ものづくり日本大賞は、豊かな国民生活の形成に貢献してきたものづくりを着実に継承、発展させていくために、製造・生産現場や伝統文化などを支える人材から、特に優秀と認められた個人・グループを顕彰するものです。2005年から隔年で実施しています。

スリムクリートは、超高強度モルタルと超高強度鋼繊維で構成された、鉄筋がなくても部材や構造物を製造できるコンクリートです。従来の超高強度繊維補強コンクリートは、特別な熱養生が必要なため工場で製作されますが、スリムクリートは常温での養生が可能なため、現場で施工できます。

一般的なコンクリートの約8倍の圧縮強度、3倍以上の引張強度があることから、鉄筋を用いない自由な形状の設計が可能となり、構造物全体を小型軽量化することができます。二酸化炭素や塩分によるコンクリートの劣化にも強く、100年の耐久性を有します。

今回の受賞では、耐久性の向上を図り社会資本ストックの価値を高めた点、軽量化によって橋梁上部工や超高層ビルなどに適用でき、新たな合理化施工法の開発にも期待できる点などが評価されました。

緻密な硬化体であるスリムクリートの高耐久性、耐摩耗性を活かし、京王線多摩川橋梁に適用

スリムクリートを適用した室内ブリッジ。桁高は一般的なコンクリートの約2分の1に低減

大林組はこれからも、社会のニーズに対応できる新たな技術の開発に努め、日本のものづくりの精神を次世代に継承するとともに、日本の産業、文化の発展に貢献してまいります。

【ものづくり日本大賞 内閣総理大臣賞(製品・技術開発部門)受賞概要】
対象技術:常温硬化型超高強度繊維補強コンクリート「スリムクリート工法」
受賞者:平田隆祥(大林組)
    石関嘉一(大林組)