技術研究所の雑木林で国内希少種キンランの観察会を行いました

サステナビリティ

技術研究所の雑木林に咲くキンラン。黄金色の花を付けることからその名を由来する

黄金色の花を付けることからその名を由来するキンラン(※1)。種子は約半年かけて熟し散布される

4月28日、大林組は、技術研究所(東京都清瀬市)の敷地内にある約1.8ヘクタールの雑木林でキンランの開花に合わせて、清瀬市の自然保護団体「清瀬の自然を守る会」と共に観察会を行いました。

参加者の観察により新たなギンランを発見。新出固体としてマーキングされました

参加者の観察により新たなギンランを発見

林内では2010年から発生が確認されたクゲヌマラン

2010年から林内で確認されているクゲヌマラン。ギンランと同様、白い花を咲かせる

雑木林にはさまざまな草花や小動物が生育し、人工栽培が困難とされるキンランやギンラン、ササバギンランなどの絶滅危惧種が多数育成しています。

46人が参加した観察会では、キンランが新たに発生した観察ルートを、足元に注意しながら歩行。参加者は説明する大林組技術者の声に熱心に耳を傾けていました。

当日は、環境省レッドリスト2017でキンランと共に絶滅危惧Ⅱ類に指定されているクゲヌマランも間近で見られ、参加者からは「自然が減少する清瀬で貴重な植物を観察できた」などの感想が寄せられました。

屋外での観察会後、講堂では、大株キンラン(複数本立ち)の群生状況の変遷や、研究所内の施設整備に伴ったクスノキの移植工事について、スライドを用いて紹介しました。

大林組では、1998年からキンランの個体数や生育環境のモニタリング調査を行っており、地域の多様な生き物や貴重種の保全技術の研究に活かしています。

これからも大林組は地域の皆様と連携しながら、長年培ってきた技術を里山や都市における開発事業地や工事現場などで活用し、生態系の保全、緑化の再生に役立てていきます。

活力のあった2005年頃の7本立ちのキンラン。最大で16本立ちの大株も見られました

活力のあった2005年頃の7本立ちのキンラン。最大で16本立ちの大株も見られました

高さ10mのクスノキの根鉢を養生し(左)、雑木林の周辺に移植。4年を経て順調に生育中(右)

高さ10mのクスノキの根鉢を養生し(左)、雑木林の周辺に移植。4年を経て順調に生育中(右)

※1 キンラン
ラン科キンラン属の多年草で、地生ランの一種。草丈は30cm~70cm。1997年、環境庁のレッドリスト(絶滅の恐れのある野生生物の種のリスト)においてキンランは絶滅危惧Ⅱ類(絶滅の危険が増大している種)に指定されました