米国の建設専門誌『ENR』の「Best of the Best Projects」に選定

大林組グループ会社による「サンフランシスコ近代美術館」「I-70ツイントンネル」

サステナビリティ

大林組米国グループ会社のウェブコー社とクレマー社がそれぞれ手がけたサンフランシスコ近代美術館(SFMOMA)増築工事、I-70ツイントンネル拡張工事が、米国の建設技術専門誌『ENR(Engineering News-Record)』の「Best of the Best Projects 2016」に選出されました。

「Best of the Best Projects」は、毎年、プロジェクトのチャレンジ性や地域産業への貢献度、安全性、デザインなどを評価の基準に、米国内10地区で応募されたプロジェクトから20部門につき各1件を選ぶものです。今年は約700のプロジェクトの中から、文化・礼拝施設部門でサンフランシスコ近代美術館増築工事が、高速道路・橋梁部門でI-70ツイントンネル拡張工事が受賞しました。

ウェブコー社は、カリフォルニア州を中心に高層マンションやホテル、オフィス、病院といった幅広い分野の建設を手がけています。クレマー社は橋梁や道路工事における高い技術力を核に、主に土木分野で事業を展開。両社とも安全性、品質などにおいて米国内で高い評価を受けている建設会社です。

【Cultural/Worship部門】
San Francisco Museum of Modern Art Expansion(サンフランシスコ近代美術館)
施工:ウェブコー社
太陽、霧、風といったベイエリアの気候、イメージを表現した外観には710枚のFRPパネルを使用

太陽、霧、風といったベイエリアの気候、イメージを表現した外観には710枚のFRPパネルを使用

増築により展示スペースは2倍に拡張。国内最大級の壁面緑化をテラスに施し、すべての照明をLEDにするなどして、世界的な建物環境性能認証制度であるLEED Goldを受賞しています

増築により展示スペースは2倍に拡張。国内最大級の壁面緑化をテラスに施し、すべての照明をLEDにするなどして、世界的な建物環境性能認証制度であるLEED Goldを受賞しています

サンフランシスコ・ダウンタウンの美術館(1995年竣工、5階建て)と隣接するスペースに、既存建屋と一体となる10階建ての美術館を増築しました。

設計者の求めるデザイン性を満たすために、早い段階からBIMを活用。お客様、設計者、施工者との迅速な合意形成のもと、造作しやすく耐久性の高いFRP(繊維強化プラスチック)を用いて、芸術性と機能性を兼ね備えた建物を実現しました。

建設現場での安全管理や情報共有は、タブレット端末やスマートフォンを用いており、すべてのスタッフが工事を止める権限を持つなど、安全面においても細心の注意を払って施工を行いました。

【Highway/Bridge部門】
CDOT Twin Tunnels Expansion Program(I-70ツイントンネル)
施工:クレマー社・大林組JV
東行きトンネル(210m)(左)は2013年に、西行きトンネル(270m)(右)は2014年度に拡幅を完了しました

東行きトンネル(210m)は2013年に、西行きトンネル(270m)は2014年度に拡幅を完了しました

不安定な岩盤や渓流に隣接する環境保護指定区域において、岩盤のり面掘削や橋梁・架け替えなどを実施。周辺環境や動植物への影響を最小限にとどめました

不安定な岩盤や渓流に隣接する環境保護指定区域において、岩盤のり面掘削や橋梁架け替えなどを実施。周辺環境や動植物への影響を最小限にとどめました

ロッキー山脈とコロラド州デンバーを横断する高速道路I-70号線の渋滞解消に向け、山岳トンネルを含む約4kmの区間を片側2車線から3車線へ拡幅しました。

現場は標高2,500mに位置し、積雪も長期にわたる厳しい自然環境下にありました。また周辺道路への影響を抑えるため、トンネルを封鎖して行う拡幅工事期間が、スキーリゾートの閑散期である4月から12月の間に限定されていました。

プロジェクトは、施工者が設計段階から参加し施工性や経済性の助言を行うCM/GC契約方式で進められました。これにより、各工種での設計の最適化、リスクの低減を図ることができ、工期内での完成が実現しました。