虎ノ門ヒルズと新ダイビル堂島の杜が屋上緑化部門で高評価

第15回屋上・壁面・特殊緑化技術コンクール

サステナビリティ

公益財団法人都市緑化機構が主催する「第15回屋上・壁面・特殊緑化技術コンクール」の屋上緑化部門で、大林組が施工した「虎ノ門ヒルズ」(東京都港区)が国土交通大臣賞を、「新ダイビル 堂島の杜」(大阪府大阪市)が日本経済新聞社賞を受賞しました。

屋上・壁面・特殊緑化技術コンクールは、都市緑化技術の促進を図り、緑豊かな都市環境の実現に寄与するため、建物の屋上や高架道路の壁面、屋内空間などの緑化において優れた効果を上げている企業、団体などを顕彰するものです。

土地の高度利用により通常の約2倍の屋外空間を確保した虎ノ門ヒルズのオーバル広場

土地の高度利用により通常の約2倍の屋外空間を確保した虎ノ門ヒルズのオーバル広場

自然の状態に近い土壌構成で整備された緑地には高中木約550本、低木約3300株を育成

自然の状態に近い土壌構成で整備された緑地には高中木約550本、低木約3300株を育成

国土交通大臣賞 虎ノ門ヒルズ

虎ノ門ヒルズは、東京・霞が関の官庁街に隣接した都心中心部に位置する、地上52階建て、高さ247mの超高層複合ビルです。

東京都の市街地再開発事業として、環状第二号線(新橋・虎ノ門間)の道路上空に建築物を建設する立体道路制度を活用し、人工地盤上(2階屋上)に約6000m²の緑のオープンスペースを確保しました。

緑地空間には、この地域に古くからある種類の植物で草原や雑木林、水辺などの多様な環境を整備。生物多様性を定量的に評価するJHEP認証(※1)で最高ランクAAAを取得しています。

幹線道路の街路樹を結んで大規模緑地を創出する、東京都の「グリーンロード・ネットワーク」の中心的な位置にあることから、周辺地域に生態系を波及させるネットワーク機能の役割も果たしてます。

約6600m2のケヤキ、イロハモミジ、ムクノキ、アラカシなどを植栽する堂島の杜

約6600m²のケヤキ、イロハモミジ、ムクノキなどを植栽する堂島の杜(写真:東出写真事務所)

細根が保持されたケヤキ

移植するケヤキなどの樹木は土を少しずつ崩して掘削することで、細根を保持しました

日本経済新聞社賞 新ダイビル 堂島の杜

新ダイビル 堂島の杜は、約半世紀にわたって親しまれてきた旧ビルの屋上庭園にあった樹木の一部などを移植し、建て替え後の敷地内に造られた人工地盤緑地です。

樹齢約50年となるケヤキやモミジなどの樹木は、約4年間の養生期間を経て、根の乾燥を防ぐなどの養生技術を用いて新ビルの外構部分に移植しました。移植前と同様の緑量を保ち、樹形も維持しています。

人工地盤上の緑地空間では、良質なまさ土と堆肥を混合した基盤を造り植栽。ゆるやかな起伏を生み出すことで地下に駐車場があることを感じさせない自然の森を創出しており、JHEP認証で西日本初の最高ランクAAAを取得しています。

新ダイビル 堂島の杜は、「人と生物にやさしい森」という旧ビルの精神を受け継ぎ、緑の少ない大阪・堂島エリアに新たな緑地空間を提供しています。

大林組は今後も、豊かな緑や生き物空間を都市の中に創出するため、都市緑化の推進や生物多様性の保全などに役立つ技術開発に努め、人と自然が共生する新たな街づくりに貢献してまいります。

※1 JHEP (Japan Habitat Evaluation and Certification Program) 認証
生物多様性の保全や再生に貢献する取り組みを定量的に評価・認証する制度で、公益財団法人日本生態協会が開発・運営