11月16日、第56回BCS賞(一般社団法人日本建設業連合会主催)の表彰式が開催され、大林組が施工したダイビル本館・中之島四季の丘(大阪府大阪市北区)が選ばれました。
BCS賞は「優秀な建築物をつくり出すためには、デザインだけでなく、建築主の理解、施工者の技術も重要である」との理念により、1960(昭和35)年に創設された賞です。良好な建築資産の創出、文化の進展、地球環境保全への寄与などを目的に、建築主と設計者、施工者の三者を対象として毎年、国内の優秀な建築作品を表彰しています。今回は、全国62件の応募の中から14作品が選定されました。
ダイビル本館・中之島四季の丘
(建築主:ダイビル、関電不動産、設計者:日建設計)
ダイビル本館は、低層部を旧ダイビル本館(大阪ビルヂング、1925年竣工)の外観で包み込み、街並みの記憶を継承した高層オフィスビルとして、2013年に完成しました。
外装れんが・石材などの材料を旧ビルから丹念に取り外し再利用することで、深みのある質感や華やかさを再現しました。高層部では、ガラスを多用した開放的なつくりや石材で覆った日射よけルーバー、自然換気システムなどを導入し、快適な執務空間を実現させています。
隣接する中之島四季の丘では、四季折々に変化する花木を植栽し、緑の風景を創出しました。地下に設けた地域冷暖房プラントからは、周辺ビルへ冷温水を供給しています。
今回の受賞では、長年親しまれてきた壮麗なファサードやロビー空間を忠実に再現しながら、先端技術との融合で現代にふさわしいオフィスビルとして再生した点が評価されました。
大林組は今後も建築主、設計者、施工者間で理解と協力を深めながら、地域社会の中で末永く親しまれ、愛され続ける作品の建設に努めるとともに、建築文化の創造、継承、そして建設技術の発展に貢献してまいります。