東北の復興プロジェクト・吉浜釜石道路で初のトンネル貫通

三陸沿岸道路・吉浜釜石道路 唐丹(とうに)第1トンネル

サステナビリティ

吉浜釜石道路のトンネル貫通式で関係者と固い握手を交わす釜石市の野田市長

貫通式で関係者と固い握手を交わす釜石市の野田武則市長(左)

7月16日、大林組JVが岩手県釜石市で建設中の三陸沿岸道路・吉浜釜石道路の唐丹第1トンネル(仮称)で貫通式が執り行われました。釜石市の野田武則市長をはじめ、発注者である国土交通省関係者、唐丹町地区住民、市立唐丹小学校の児童ら130人が参加する盛大な式典となりました。

式典で野田市長は、着工からわずか213日で貫通を遂げた施工と地域住民の協力に感謝の意を表すとともに「震災で犠牲になった多くの命に報いるためにも、一日も早く完成し三陸地域の振興につなげたい」とあいさつしました。

来賓や児童による「貫通点発破の儀」では火薬を用いた発破音を合図に暗幕が落とされました

来賓や児童による「貫通点発破の儀」では、火薬を用いた発破音を合図に暗幕が落とされました

吉浜釜石道路は、国土交通省が復興事業の一つとして進める「復興道路」(※1)の一部で、大林組JVは、三陸沿岸を走る全長約14kmのうち約3kmを担当し、トンネル3ヵ所、橋梁2ヵ所を一斉に整備しています。

貫通した唐丹第1トンネルは延長465m。岩盤は硬く砕けやすい地質であったため、支保工を組み一日3mずつ掘削を行ってきました。民家が隣接する現場では、周辺環境への影響を抑えるため、防音ハウスや防音扉などを適用しており、2018年度の吉浜釜石道路の開通に向け、引き続き工事を進めていきます。

大林組はこれからも、知恵と技術を駆使した建設工事を通して、東北地方の復興を実現させる道路づくり、街づくりに努めてまいります。

工事関係者、地区住民、稚魚放流を行った市立唐丹小学校の児童らが参加する盛大な式典

現場に近接する片岸川で、4月に職員と稚魚放流を行った6年生も参列。式典後は、地元の全住民を対象とした見学会(通り初め)が開催され「生まれて初めての経験だった」などの感想が寄せられました

復興道路(三陸沿岸道路)、吉浜釜石道路

※1 復興道路
政府は、青森県から宮城県までの太平洋沿岸地域を結ぶ三陸沿岸道路(自動車専用道路・359km)を「復興道路」として事業化し、全線の緊急整備を進めています