神戸商船三井ビルが第24回BELCA賞を受賞

完成から93年。変わらぬ姿で愛され続ける「港町神戸の顔」

サステナビリティ

神戸商船三井ビルは竣工当時の姿を残す歴史的建物として神戸の街並みを形成しています

旧居留地・海岸通りからの外観。竣工当時の姿を残す歴史的建物として神戸の街並みを形成しています

ロングライフビル推進協会が主催する第24回BELCA賞のロングライフ部門において、大林組が1922(大正11)年に施工した「神戸商船三井ビル」(兵庫県神戸市)が選ばれました。

BELCA賞は、適切な維持保全や優れた改修を行った建築物を表彰するものです。ロングライフ部門は、建設後30年以上を経過している建築物が対象で、長寿命化を考慮して設計され、継続的に維持保全を行った建築物が毎年表彰されています。

神戸商船三井ビルは、商船三井の前身である大阪商船の神戸支店として、建築家 渡辺節により設計されました。大林組は1995年以降、震災復旧工事、改修工事などを行っています。

2012年には、周囲からほとんど見えない隣地との間の中庭に大規模な外付け耐震フレームを設置し、建物本体とつなぐ耐震補強工事を実施しました。また、内部の補強においては耐震壁の増設・増厚を最少限に抑え、床タイルは再利用するなど、竣工後も着工前と変わらぬ姿を維持しています。

阪神淡路大震災による被害についても丁寧な復旧工事が行われ、90年以上にわたり「港町神戸の顔」であり続けていることが、ロングライフ部門にふさわしい模範となる建築物と評価され、今回の受賞となりました。

大林組はこれからも、技術開発や適切なメンテナンス、リニューアルによって優れた建築物が長く次世代に受け継がれるよう取り組んでまいります。

貸室内の内装、共用部の水回りなどは当初の意匠にこだわらない自由な更新が行われており、テナントビルとしてのサービスを優先しています

現在は家具ショップが入居している1・2階部分。貸室内の内装、共用部の水回りなどは当初の意匠にこだわらない自由な更新が行われており、テナントビルとしてのサービスを優先しています

共用部は当時の内装をできる限り維持。塗装には日本で初めてプラスター(石膏)を使用しました。1基残る手動式エレベーターは、丁寧なメンテナンスにより今も現役で活躍しています

共用部は当時の内装をできる限り維持。塗装には日本で初めてプラスター(石膏)を使用しました。1基残る手動式エレベーターは、丁寧なメンテナンスにより今も現役で活躍しています

■神戸商船三井ビル 概要 
竣工:1922(大正11)年
改修:1995(平成7)年、1996(平成8)年、2012(平成24)年
所有:商船三井
設計:(新築)渡辺節(渡辺建築事務所)、内藤多仲
          (改修)昭和設計、大林組
施工:大林組