大林組が設計施工を手がけた日新木造倉庫(鳥取県境港市)が、デザイン・品質を両立させた建築物として「2014年度グッドデザイン賞」を受賞しました。
グッドデザイン賞とは、暮らしと産業、社会全体を豊かにする「よいデザイン」を顕彰するものです。家電や車などの工業製品から、住宅や建築物、各種サービスまで、人によって生み出されるあらゆるものや活動を対象に毎年選定されています。
大規模木造建築において、超ロングスパン構造を実現させるためには、断面幅が大きい木材が必要です。しかし汎用品の単板積層材(LVL)(※1)は厚さ9cm程度までの材料しかないため、従来の柱や梁は一次製品をさらに工場で二次接着して製作していました。
そこで大林組は、大断面に必要な枚数のLVLをボルトやビスで一体化し、準耐火構造用の大断面木材を作る技術「オメガウッド」を開発。コストと時間がかかる二次接着ではなくオメガウッドを採用したことで、従来よりもローコストでの木構造の無柱空間(31m×42m)が可能になりました。
今回の受賞に当たり、大規模木造建築の構造として斬新な提案であること、LVLの二次加工をすることで大断面木材の製作コストの削減や納期短縮を実現したこと、準耐火構造として品質とデザインを両立していることが高く評価されました。また、実用のみになりがちな倉庫を、快適なワークプレイスとして捉え直した点も注目されています。
木材の積極的な活用は、林業の活性化とともにCO2排出の削減にもつながり、地球温暖化対策への大きな取り組みとなっています。大林組はこれからも、低炭素社会の実現をめざし、木材を活かす建設技術の開発に努めてまいります。