一般財団法人エンジニアリング協会が主催する平成26年度「第34回エンジニアリング功労者賞」などが発表され、大林組が代表となって行った大規模緑地空間「なんばパークス」、トンネル掘削技術「省エネシールド」の各チームが選ばれました。
エンジニアリング功労者賞は、エンジニアリング産業の振興発展に貢献し、その功績が特に顕著であると認められたグループ(チーム)や個人を表彰するもので、今回はグループ表彰19件、個人表彰2件が選定されました。また奨励特別賞には、実用化が期待される先駆的な技術の開発に顕著だったグループ7件が決定しました。
【第34回エンジニアリング功労者賞】環境貢献
生態系に配慮した大規模緑地空間創造チーム(大林組、南海電気鉄道)
大阪の商業施設なんばパークスの屋上、約5300m²を緑化し、都市部のヒートアイランド現象の緩和や生態系保全と、緑化による付加価値向上を両立させたプロジェクトです。
風土に適した植物7万株を植えたことで、鳥類33種、昆虫類152種を形成する豊かな生態系を創出。人と生き物の共存する場を、人の手で丁寧に育むことで、子どもからお年寄りまで幅広い世代が集まる価値ある空間を生み出し、経済効果をもたらしました。
また、樹木は1年間に約4tのCO2を吸収し、緑化部は周辺市街地と比べて表面温度を15℃~20℃低下させてヒートアイランド現象を抑制するなど、環境に貢献すると高く評価されました。
【第6回エンジニアリング奨励特別賞】実プロ化が期待される先駆的技術
省エネシールド検討チーム(大林組、立命館大学、三菱重工メカトロシステムズ)
高速道路や鉄道の地下化に伴う大断面トンネルの建設では、直径16mを超す大口径シールド機が増加しています。今回受賞したのは、その大断面シールド機の電力使用量の削減と掘進の効率化を両立する技術です。
シールド機の内周部と外周部とを別々に回転させる二重カッター方式にすることで、内側と外側の回転速度を最適化し、取り込む土砂の流動性を高めます。
その結果、消費電力を30%低減するとともに掘進速度を25%高速化します。省エネと稼働率の向上を可能にする世界初の試みであること、実工事に向けて製作段階にあることが評価されました。
大林組はこれからも「技術」と「知恵」を結集するエンジニアリングを通じて、魅力ある街づくりや付加価値のある緑化空間、社会基盤の構築に寄与できるよう努めてまいります。