なんばパークスが第41回「環境賞」で優良賞を受賞しました

人と生き物が共生する都市緑化の普及に貢献

サステナビリティ

なんばパークスが日立環境財団と日刊工業新聞社の共催による「環境賞」で優良賞を受賞

日々変化を見せる屋上庭園をさまざまな角度から科学的に研究調査しています

大林組と南海電気鉄道が、複合商業施設「なんばパークス」(大阪市浪速区)の屋上庭園で行っている生態系創出などの取り組みが、日立環境財団と日刊工業新聞社の共催による第41回環境賞(環境省後援)の優良賞を受賞しました。

6月11日、第41回環境賞の表彰式が開催されました

6月11日、「大都市における人工地盤上の大規模緑地創出」が優良賞として表彰されました

環境賞は、1974(昭和49)年に、環境保全活動の発展と持続可能な社会の構築に寄与することを目的に創設されました。大気・水質の汚染、自然環境、地球環境などをテーマとする調査、研究、開発、実践活動などで成果を挙げた取り組みを毎年表彰しています。

なんばパークスでは、1万1500m²の広大な屋上庭園に約5300m²の緑地を整備し、2003年の開業以来、農薬を使わずに手作業で害虫駆除を行うなど、訪問客と生き物、どちらにも安全な空間を提供しています。

大林組と南海電気鉄道の研究調査チームは、都市緑化の普及に寄与するため、なんばパークスにおける緑化の効果を継続的に観測。ヒートアイランド現象の緩和効果や緑の快適性などの熱環境調査、鳥類・昆虫類の生息種の調査、全樹木のCO2吸収量の調査などを行っています。

なんばパークスではこれまでに鳥類33種、昆虫類152種を確認。左からコサメビタキ(大阪府レッドリスト/絶滅危惧Ⅱ類)、センダイムシクイ(同/準絶滅危惧)、ウスイロササキリ、オオシオカラトンボ

なんばパークスでは鳥類33種、昆虫類152種を確認。左からコサメビタキ(大阪府レッドリスト 絶滅危惧Ⅱ類)、センダイムシクイ(同 準絶滅危惧)、ウスイロササキリ、オオシオカラトンボ

今回の受賞では、都市の人工緑地において動植物の生態系と人間活動とを結び付ける国内でも先進的な事例であること、また今後の都市緑化の普及に寄与することが高く評価されました。

大林組は今後も、屋上緑化やビオトープなど建物と人と生き物が共存する場を造ることで、地域の生態系保全・創出、都市環境の保全、地球温暖化防止に努めてまいります。

樹木のCO2吸収量の評価

庭園内の全樹木(930本)の大きさを2年にわたり測定し、1年間のCO2吸収量は約4tで、標準的な人工林の約半分であることを確認しました

夏の微気候の調査

庭園内の夏の微気候を測定。夜間、樹林が約1℃低い冷気を生み出していることを確認しました