東京・清瀬の自然を守る会と絶滅危惧種キンランの観察会を実施

技術研究所の生態系保全を通して、多様な生育環境を未来へ

サステナビリティ

大林組技術研究所で絶滅危惧種キンランの観察会を実施しました

ラン科の多年草で草丈30~70cm、4~6月頃に1cm程度の黄色い花を付けるキンラン

5月8日、大林組技術研究所(東京都清瀬市)で「清瀬の自然を守る会」など32人を招いて、自然観察会を行いました。この観察会は2009年から、キンランの開花の時期に合わせて毎年実施しており、地域の恒例行事となっています。

清瀬の自然を守る会の皆さんとの自然観察会

大林組の研究員がガイド役を務め植物の生育状況を説明。参加者は熱心に耳を傾けながら小型昆虫やキンランの花びらなどをルーペで観察しました

技術研究所の敷地内にある「生物多様性保全につながる企業のみどり100選」に選ばれた約1.8ヘクタールの雑木林には、人工栽培が困難とされるキンランやギンラン、ササバギンランなどが群生しています。

野生のキンランは、農林業など人の営みの中で環境が維持される里山(※1)などに生育するもので、以前は国内に広く分布していました。しかし近年その数を減らし、1997年、環境省のレッドデータにおいて絶滅危惧種に指定されました。

大林組は1998年から、技術研究所内に咲くキンランの個体数や生育環境のモニタリング調査を実施。地域の多様な生き物や貴重種の保全活動に活かしています。

観察会参加者からは「キンランの鮮やかさに感激した」「カルガモやクロスジギンヤンマがいる環境に驚いた」「土の柔らかさや雑木林の自然な空気を肌で感じられた。今後も自然を守り育ててほしい」といった声が寄せられました。

大林組は、これからも地域の皆さんと連携を深め、多様な生態系の保全、里山の保護、文化の伝承の観点で、豊かな暮らしを未来の世代へ引き継ぐよう努めてまいります。

2011年から3年連続してカルガモを確認

技術研究所では2011年から3年連続してカルガモの繁殖を確認しています

ビオトープにはクロスギギンヤンマをはじめ、アズマヒキガエルなどが訪れます

敷地内の生育空間ビオトープにはクロスギギンヤンマをはじめ、アズマヒキガエルなどが訪れます

※1 里山
原生的な自然と都市との中間に位置し、集落とその周りの二次林、農地、ため池、草原などで構成される地域。人の働きかけを通じて環境が形成・維持されています