大林組は、技術研究所(東京都清瀬市)において、地震によるつり天井の落下を防ぐ2つのフェイルセーフ技術「フラットバー + ネット工法」、「ストリングス工法」の振動台実験を行いました。
2011年3月の東日本大震災では、多くの建物でつり天井崩落の被害が発生しました。そこで大林組は天井面に樹脂製のネット(網)やストリング(糸)を張るだけで、揺れによって壊れた天井や設備機器の崩落を防止する技術を開発しました。既存の天井を解体せず、建物を使いながら短期間、低コストで施工できます。
網・糸それぞれの「対策を施した天井」と、「対策なしの天井」を並べ、東日本大震災の2倍の地震で揺らしました。検証結果では、水平方向に天井の自重の3.3倍の力が加わっても落ちないことを確認。天井崩落を抑止し、人命保護と生産活動の継続を最優先に考えたフェイルセーフ機能が有効に働くことを実証しました。
網で抑える「フラットバー + ネット工法」の加振実験の様子
※画面の再生ボタンを押すと開始します(動画再生時間:約30秒)
画面左半分は従来の天井、右半分は「フラットバー + ネット工法」で対策した天井
「フラットバー + ネット工法」は、2.0~2.5cm網目のネットを張り、下から平鋼で押さえる工法です。大林組技術研究所にある国内最大レベルの三次元振動台で加振実験を行いました
糸で抑える「ストリングス工法」の加振実験の様子
※画面の再生ボタンを押すと開始します(動画再生時間:約30秒)
画面左半分は従来の天井、右半分は「ストリングス工法」で対策した天井
直径1.5mmの糸でつるすので目立たず、対策後も意匠性を損ないません
大林組は、日々の暮らしを快適にするとともに、災害時には安全と安心を提供する地震対策技術の開発にこれからも努めてまいります。