大林組は、エレベーター式立体駐車場の入出庫の待ち時間を大幅に短縮する「高効率入出庫システム」を開発しました。
超高層マンションや病院、商業施設などのエレベーター式立体駐車場は、限られた敷地に多くの車を駐車させるための有効な設備です。しかし、入出庫が集中する際には長く待たせることがあります。
従来のエレベーター式立体駐車場では、一台ごとに立体駐車装置の昇降機の中に車を止めていました。そのため、入庫から格納および搬出から出庫などの、一連の動作が終了するまで、次の利用者は入出庫を待っている必要がありました。
高効率入出庫システムは、(1)入庫スペース、出庫スペースを別々に設け、(2)入出庫スペースを立体駐車装置と分離して、途中を水平搬送装置で接続。(3)水平搬送装置の搬送路は、車の待機スペースとしても機能させます。それぞれが個別に動作するので、入庫車の連続受け入れや出庫車の連続搬出が可能となり、待ち時間が大幅に短縮できます。
高効率入出庫システムによる連続入庫の様子(動画再生時間:約1分15秒)
高効率入出庫システムの特長は以下のとおりです。
- 入出庫の待ち時間を約5分の1に短縮
入出庫スペースで車を載せたパレット(車載台)は、水平搬送装置を介して立体駐車装置に出し入れされます。一連の動作は、それぞれ独立しているため、順番に動作させる必要がある従来型と比べて、待ち時間を約5分の1(※1)に短縮できます。
- 出庫予約機能を活用し、効率的に運用
複数台の車をあらかじめ出庫スペースや水平搬送装置にセットできます。搬送経路が短くなり、さらに待ち時間を短縮できます。予約取り消しの際には、水平搬送装置を活用して車の順番の入れ換えができるので、停滞しません。マンションの場合には住戸インターホンを利用して出庫予約ができます。
- 容易な運転操作と高い安全性
前向き入庫、出庫が可能なため車の運転がしやすくなります。また、車の入出庫スペースへの進入路がそれぞれ一方向になっているため、車路での混乱も回避でき、安全性の向上が図れます。
- 近隣への配慮
短時間での連続格納が可能なため、周辺路上での入庫待ち車を減らせます。
高効率入出庫システムと従来型との比較(動画再生時間:約56秒)
大林組は、今後、エレベーター式立体駐車場が組み込まれた建物を利用されるお客様にとって、より利便性の高い設備として、高効率入出庫システムを積極的に提案します。これからもお客様のさまざまなニーズにお応えするシステムを開発し、ご満足いただける建物を提供してまいります。