6月28日、大林組は地元企業とのJVで、放射線量を連続的に測定する「オリオン・スキャンプロット」(米国AMEC E&I社)を用いて岩手県一関市で進めていた空間放射線量の調査を終えました。
今回の調査は、福島第一原発事故を受け「汚染状況重点調査地域」となっている一関市での、除染対象となる地域や戸数を把握するために行われました。
オリオン・スキャンプロットを使用して調査をしたのは、全長2,100kmの市内の道路です。歩道にも対応できるよう、オリオン・スキャンプロットを自転車やバイクに搭載させたシステムを開発、24日間にわたって走行しながら測定を行いました。
従来は、徒歩で30mごとに停止しながら測定していましたが、オリオン・スキャンプロットは、移動しながら1秒ごとに放射線量とGPS(全地球測位システム)の位置情報を測定・記録できます。詳細な調査結果を迅速に得られるようになりました。
大林組は、これからも被災地に貢献できる取り組みの一環として、環境汚染に対する技術開発を進めてまいります。
放射線量モニタリング技術「オリオン・スキャンプロット」
オリオン・スキャンプロットは、調査範囲を移動しながら放射線を面的に調べ、GPSの位置情報と放射線量の測定結果を分かりやすい地図にします。測定器の容量が大きいため測定精度が高く、放射性物質の種類を特定することも可能です。
大林組では、あらゆる場所での線量測定に適用できるよう、オリオン・スキャンプロットを搭載したさまざまなタイプの線量測定機器を開発しています。