三陸沖の地震でアクティブ制震システム「ラピュタ2D」の効果を実証

技術研究所の本館地下でアクチュエーターが動く様子を紹介します

ソリューション/テクノロジー

大林組技術研究所(東京都清瀬市)の本館テクノステーションには、地震が起こると作動するスーパーアクティブ制震システム「ラピュタ2D」を設置しています。

12月7日17時18分、三陸沖を震源とする地震があり、青森、岩手、宮城などの県では震度5弱の揺れが観測されました。

技術研究所付近では震度3の揺れが観測され、ラピュタ2Dが作動し建物の揺れを抑えたことが確認されました。映像では、建物はほとんど揺れず、建物側に立つ鉛筆も倒れなかったことが分かります。

 2012年12月7日に発生した地震でのラピュタ2Dの動き(動画24秒)

 実際の動きを5倍速にしています

本館地下の設置状況

本館地下の設置状況 ※建物側に設置されたカメラから撮影

ラピュタ2D作動時の記録

2012年12月7日、ラピュタ2D作動の記録  ※クリックで拡大

ラピュタ2Dは、地震があったときに、地盤が動いた分だけ建物を揺れと反対方向へ動かし、地震の揺れを抑えるシステムです。

地震が起こると、センサーが地盤の揺れを感知して、大きさや方向をコンピューターに伝達し、建物と地盤の間にあるアクチュエーターが作動して揺れを打ち消します。

地震時に作動したラピュタ2Dの観測記録(過去109回分)から、地震の揺れを抑えていることが実証されています。

スーパーアクティブ制震システム「ラピュタ2D」

地震が起こると地盤の揺れをセンサーが感知し、揺れの大きさや方向を瞬時にコンピューターへ伝えます。コンピューターでは地盤の動いた距離をリアルタイムに割り出します。

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地盤と建物の間には、モノを押したり引いたりする装置、アクチュエーターがついています。建物をどれだけ移動させるかの指令は、1000分の1秒単位でコンピューターから伝えられ、アクチュエーターは揺れの発生後0.1秒で動きます。


地盤が動いた分だけアクチュエーターが建物を反対方向へ動かすので、建物が位置を変えることはありません。これが「ラピュタ2D」の揺れないシステムです。
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ラピュタ2Dイメージ図