阪神甲子園球場が第21回BELCA賞を受賞

今後100年を超えて愛される球場へ

サステナビリティ

ロングライフビル推進協会が主催する第21回BELCA賞において、大林組が1924(大正13)年に施工した「阪神甲子園球場」(兵庫県西宮市)がロングライフ部門で表彰されました。

BELCA賞は、適切な維持保全や優れた改修を実施した建築物を表彰するものです。ロングライフ部門は、建築後30年以上を経過している建築物が対象で、長寿命化を考慮して設計され、継続的に維持保全を行った建築物が毎年表彰されています。

阪神甲子園球場は日本初の本格的な野球場として誕生しました。今回、2007(平成19)年から2010(平成22)年のシーズンオフを利用した大改修では、歴史と伝統を継承しつつ、より安全で快適、そして社会に貢献する球場をめざしました。

築80年を超す建物を壊さずに、既存の構造体のほとんどを耐震補強するとともに建物内部には耐震壁の新設や増厚を行いました。また、内野グランドを覆う大屋根「銀傘」の架け替えや座席改修により、安全性と快適性が向上しました。

外観は創建当時をイメージするれんが造りで、植え替えたツタが外壁を覆うことで、これまでと変わらぬ球場の姿が再現されます。

地球環境対策では、銀傘に降る雨水の利用や太陽光発電設備の利用で年間22万kWhを発電。CO2削減量では約150tを達成し、環境への負荷を低減しました。

阪神甲子園球場

阪神甲子園球場

阪神甲子園球場
(所有:阪神電気鉄道、設計:大林組、施工:大林組)

歴史と伝統を継承するとともに、さまざまな安全対策や環境対策を採用することで人と環境に優しい、新しい時代に合った球場をつくり出したことが評価され、今回の受賞となりました。

大林組は今後も、最新技術や適切なメンテナンスで優れた建築物が長く愛されて活用されるよう取り組んでまいります。

阪神甲子園球場

創建当時の時代性を反映したれんが造りの外観には、旧来の姿を復元すべく植え替えたツタが順調に再生しています

阪神甲子園球場

4代目となる銀傘の高さを一段高くし、観戦環境を向上させました