1月30日、大林組は東京機械工場(埼玉県川越市)で次世代無人化施工技術の実証実験を行い、開発技術である3D(3次元)映像および体感型操作環境(簡易バーチャルリアリティ)の活用による無線遠隔操作を確認しました。
災害復旧の初動段階において、二次災害などの恐れにより作業員が入れない場所での作業に対して、「無人化施工」のニーズが高まりつつあります。無線遠隔操作に基づく無人化施工では、有人操作時よりもオペレーターの取得情報量が少ないことによる施工効率の低下や、高度な熟練技術を持つ技能オペレーターの確保が困難であるといった課題がありました。
今回開発した技術では、無人化施工に伴う課題解決のため、通常の無線遠隔操作に活用されているモニタリングカメラのほかに、3Dカメラ、全方位カメラを利用し、視覚情報を増やすことにより操作性能を20%向上させました。さらに現場での作業音、重機の振動、傾斜をセンサーで取得し、無線遠隔操作席で再現することにより、オペレーターに現場からの情報を体感させることで、操作環境を通常の運転席に近づけました。
最新のデジタル無線システムを活用し、画像や動作環境など多くの情報を活用できる環境を実現しました。中継局を利用すれば長距離での無線遠隔操作も可能です。また、映像系統と操作系統を分離し、各系統のデータ処理の遅延を最適化し、スムーズな操作を実現しました。重機同士の接触や通信の障害に対しても安全対策を実現しています。
実証実験は、無線遠隔操作が可能なバックホウおよびクローラーキャリアを利用し、3D映像および体感装置を用いた無線操作によって、コンクリートガラの破砕、積み込み、運搬作業を行い、施工効率面で向上することを確認しました。
大林組は、今回の実証実験で次世代無人化施工技術の導入効果を確認し、今後も無人化施工技術をはじめ、災害復旧の早期解決に向けて、さらなる研究を進めてまいります。