株式会社大林組(本社:東京都港区、社長:白石達)は、日常的な振動(床振動・交通振動・風振動)を体感しながら、その場で振動に対する建物性能を決定できる可搬型環境振動体感システム「ゆれジャッジ」を開発しました。
これまで、建築物の振動対策の効果はグラフや数値でしか提示できませんでした。しかし、揺れに対する快・不快の感じ方は人によって異なり、一般的な数値が適応しない場合もありました。
「ゆれジャッジ」は建築物に生じる日常的な振動(床振動・交通振動・風揺れ)を高精度で再現し、その場で揺れを体感しつつ性能評価することができるシステムです。建築物に振動対策を行う際、実際の居住時の揺れを「ゆれジャッジ」で体感したうえで、制振装置の提案を含めた目標性能を決定することが可能です。
「ゆれジャッジ」では、実際に揺れを体感してもらうことで、お客様との意志疎通を図ることができ、コストに対しても十分に納得したうえで導入していただくことが可能となります。
「ゆれジャッジ」の主な特長は以下のとおりです。
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実際の振動を体感しながら、その場で振動性能評価ができます。
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鉛直・水平2方向動作可能な振動台により、日常的な振動(床振動・交通振動・風振動)を精度よく再現できます。
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性能評価には大林組が開発した独自の「居住性能評価ランク」を用いて、揺れの大きさを合理的に判断できます。
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可搬型のシステムで、条件を満たせば、お客様の会社へ持ち込んでの運用もできます。
これらの特長により、設計初期段階から竣工後までにわたり、それぞれの段階に応じて目標性能決定、振動対策提案を容易に行えるようになりました。さらに、過大な振動対策によるコスト増を抑えます。
大林組は、これまで独自の居住性能評価ランクを中心に、お客様への建築物に生じる日常的な振動に対する説明性の向上、振動対策提案についての合意形成に努めてきましたが、さらに、今回開発した「ゆれジャッジ」を新たに加え、お客様の多様なニーズにお応えする建物の追求と、安全・安心な社会の実現に貢献してまいります。
以上