日本初の「部屋免震工法」で国宝を次代へ継承
平城遷都1300年祭で賑う奈良・東大寺で、仁王像で知られる国宝・南大門の近くに「東大寺総合文化センター」が完成しました。百数十点に及ぶ貴重な文化財を納める収蔵庫、国宝の日光・月光菩薩立像などを展示するミュージアム、国宝の文献などを所蔵する図書館、321人収容の金鐘ホールなどを備えています。
施工にあたっては、地下部に鎌倉時代の遺跡が存在することから、基礎部での免震ができず、建物内部での「部屋免震工法」を日本で初めて採用しました。摩擦振り子支承や粘性ダンパー、パンタグラフなどをシステム化することで、平城の隆盛を今に伝える収蔵庫と展示室の免振を実現しました。
境内に大仏殿や法華堂などの伽藍が建ち並び、今なお歴史を刻み続ける東大寺において、大林組は新しい免震工法を実現し、貴重な文化遺産の継承に貢献することができました。今後も最先端の技術を取り入れ、歴史的価値のある建築物や文化財の保存・再生に取り組んでまいります。