施工に最適なノズル位置を自動で保つコンクリート吹付け機を開発
操作の簡易化により技能習得時間を短縮し、高品質な施工を実現します
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プレスリリース
株式会社大林組(本社:東京都港区、社長:蓮輪賢治)は、古河ロックドリル株式会社(本社:東京都中央区、社長:三村清仁)と共同で、山岳トンネル掘削時の支保部材である吹付けコンクリートの施工において、簡易な操作で最適な吹付け位置を維持し、高品質な施工を可能とする吹付け機を開発しました。
山岳トンネル工事では、1回の掘削ごとに露出する奥行1m程度のアーチ型の岩盤面にコンクリートを吹付けて支保部材としています。施工に当たっては、吹付け機アーム先端部のノズルを断続的に首振りさせつつ、施工する岩盤面に対して最適な軌道で移動させることが必要です。
ノズル位置が不適切な場合には岩盤面に対して正しい向きや離隔距離を保つことができず、仕上がり面の平滑性不良や支保工背面の充填(じゅうてん)不足といった品質の低下、岩盤面に付着せずに落下するコンクリート(リバウンド)の増大、不適切な位置からの吹付けで増加してしまう粉じんによる作業環境の悪化などを引き起こすリスクがあります。
従来の吹付け機では、アームの旋回などに伴って先端部で弧を描くように動こうとするノズルを正しい位置から外れないように、素早く手動でアームを伸縮させながら吹付ける作業が要求されますが、ノズルの首振り操作を行いつつ、アームの旋回・伸縮を素早く正確に行うには、高度な熟練技能が必要です。
近年トンネル工事に従事する技能労働者の高齢化などから熟練オペレーターが不足しており、オペレーターの経験不足によって生じうるさまざまなリスクを回避するため、技能の熟練度によらない簡易な操作の吹付け機が強く求められていました。
そこで、大林組と古河ロックドリルは、アームの旋回などに対応して伸縮動作を自動化し、操作を簡易化した吹付け機を開発しました。今回開発した吹付け機は、オペレーターの技能習得にかかる時間を短縮するうえ、ノズル位置を自動で施工に最適な軌道上に保つため、吹付け品質が向上するとともに作業環境の悪化を防止することが可能となります。
古河ロックドリルの工場内での動作確認、試験施工を経て、2018年12月から実際のトンネル現場で有効性を確認します。
本機械の特長は以下のとおりです。
技能習得にかかる時間の短縮
今回開発した吹付け機は、弧を描くように動こうとするノズルに対してアームが自動で伸縮することにより、ノズルを常にトンネル切羽鏡面から一定の距離にある「仮想の平面上」に保ち続けます。そのため、簡易化された操作でノズルを施工範囲から外れることなく的確に動かすことができます。操作の容易さが作業効率の向上につながり作業時間の削減が見込まれるとともに、短時間で操作方法を習得できることから熟練オペレーターの不足問題の解決にも寄与します。
施工品質の向上やコスト抑制、坑内環境の改善
ノズルを常に施工に最適な位置に保つことができるため、仕上がり面の平滑性など施工品質の向上とともに、リバウンドの減少による材料コストの抑制や粉じん発生量の低減による坑内環境の改善を実現します。
今後、大林組の施工する山岳トンネル工事に本機械を積極的に導入することで、技能労働者の高齢化や熟練オペレーター不足に対応するとともに生産性の向上や現場の作業環境の改善を図ります。さらに、施工品質の向上を図ることで安全安心な社会インフラの構築に貢献してまいります。
以上
この件に関するお問い合わせ先
大林組 CSR室広報部広報第一課
TEL 03-5769-1014
プレスリリースに記載している情報は、発表時のものです。