株式会社大林組
日之出水道機器株式会社
株式会社大林組(本社:東京都港区、社長:白石達)と日之出水道機器株式会社(本社:福岡市博多区、取締役社長:浦上紀之)は、耐震補強壁工法3Q-Wall(サンキューウォール)(※1)の一つとして、安価で高強度の鋳鉄製ブロックを用いた新しい工法を開発しました。
建物を耐震補強する一般的な方法の一つに、鉄筋コンクリートの耐震壁を設置する方法があります。従来は、現場で鉄筋を組み、型枠を設置し、コンクリートを打設して耐震壁を構築していましたが、騒音や振動が発生するため、商業施設や学校などでは休日しか工事を行うことができませんでした。また、病院や生産設備が常時稼働している工場などでは、休日がなく工事が困難でした。
そこで大林組は、従来の工法に比べ静かに(Quiet)、速く(Quick)、高品質(High Quality)な施工を可能にする3Q-Wallを開発し、2001年の実用化以来、さまざまな建物に本工法を適用し施工実績を積み重ねてきました。
今回、3Q-Wallに加わる新しい工法として、耐震壁となるブロックに安価で高強度の鋳鉄を使用する工法を開発しました。これまで、3Q-Wallの中で通風や採光が可能な耐震壁はFRP(繊維補強プラスチック)製ブロックのみでしたが、外観の印象が異なる鋳鉄製が加わったことで選択肢が広がりました。
本工法は2017年6月に「鋳鉄製ブロックを用いた3Q-Wall工法」として一般財団法人日本建築総合試験所から建築技術性能証明を取得しており、一般社団法人大阪倶楽部 耐震補強工事(施工場所:大阪市中央区)への初適用が決定しています。
鋳鉄製ブロックを用いた耐震補強壁の特長は以下のとおりです。
- 既存のFRP製ブロックに比べ安価で壁厚の薄い耐震壁を構築
鋳鉄製ブロックとFRP製ブロックはいずれも中空のブロックですが、鋳鉄製の強度はFRP製の2倍以上です。そのため、鋳鉄製はFRP製よりも薄い耐震壁で同等の補強耐力を得ることができます。また、鋳鉄製の材料費はFRP製の2分の1以下となり、工事費を低減できます。
いずれも窓際など採光や通風が求められる場所での設置に向いていますが、仕上がる壁の厚さや材質が異なることから、建物のデザインや好みに合わせて選択することができます。
- 建物を使いながら、静かに短期間で工事が完了
鋳鉄製ブロックを用いた耐震補強壁工法は既存の3Q-Wallと同様に、建物を使いながら、在来工法の半分程度の工期で耐震補強壁を構築することができます。鋳鉄製ブロックを接着しながら積み上げるだけなので、在来工法のように鉄筋の加工や型枠の施工、コンクリートポンプ車による振動や騒音が発生しません。
大林組は、鋳鉄製ブロックを利用した本工法をはじめ、静かに、速く、高品質な耐震補強壁を構築できる3Q-Wallを、商業施設や学校、病院、工場などさまざまな建物に積極的に提案し、社会の安全、安心に貢献していきます。
以上
この件に関するお問い合わせ先
大林組 CSR室広報部広報第一課
TEL 03-5769-1014
日之出水道機器 建築マーケティンググループ
TEL 03-3585-2193
プレスリリースに記載している情報は、発表時のものです。