株式会社大林組
ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社
株式会社大林組(本社:東京都港区、社長:白石達)とライオン・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社(本社:東京都墨田区、社長:千葉弘之)は、高発泡性能・低環境負荷型の気泡シールド工法用起泡剤「レオフォームOL-10」を共同開発しました。
気泡シールド工法は、切羽に微細なシェービングクリーム状の気泡を注入しながら地山を掘削する工法で、大林組が中心となって開発しました。本工法は粘性土から砂質土・礫(れき)質土に至る地質の変化への適応性が高く、気泡生成設備がコンパクトでトンネル坑内に設置可能であることから、掘削断面の大小にかかわらず、さまざまなシールド工事に適用されています。
近年は、掘削土質が複雑に変化する長距離・大断面トンネルにおいて採用実績が増えていますが、掘進作業の効率化に向けた起泡剤の高性能化や使用量の低減などが課題となっています。
今回、大林組とライオン・スペシャリティ・ケミカルズが共同開発した「レオフォームOL-10」は、従来に比べ少量でありながら、高粘性の気泡を安定的に生成できる起泡剤です。主成分には、環境への負荷が小さい界面活性剤(※1)を使用しています。
「レオフォームOL-10」の特長は以下のとおりです。
- 発泡力の向上により低濃度の水溶液で気泡生成が可能
従来は3%の水溶液(30kg/m³)を空気と混合して気泡を生成していましたが、「レオフォームOL-10」は、掘削土砂の性状に応じて0.4~1%の低濃度水溶液(4~10kg/m³)を空気と混合することで気泡を生成できます。起泡剤を含む工事費は従来と同等ですが、起泡剤の使用量を従来品の3分の1から10分の1程度まで削減できるので、坑内における起泡剤の運搬回数が大幅に減り、掘進作業効率が約5%向上します。
- 高粘性かつ消泡性が低い気泡を生成
「レオフォームOL-10」は、従来品に比べ気泡生成直後の粘性が2倍以上、自然消泡率が2分の1以下であることから、掘削土砂は高い流動性を保持します。このため、掘削に伴うシールドマシンへの負担が小さくなり、掘削土砂を後方へ送り出すスクリューコンベアが土砂で閉塞(へいそく)することを防止できます。
なお、一定時間経過後の消泡性は従来品と同程度であるため、これまでと同じ方法で掘削土砂の運搬・処分が可能です。
大林組とライオン・スペシャリティ・ケミカルズは、各地で計画されている長距離・大断面トンネル工事など、さまざまなシールド工事を対象に「レオフォームOL-10」を提案していきます。
以上
この件に関するお問い合わせ先
大林組 CSR室広報部広報第一課
TEL 03-5769-1014
ライオン コーポレートコミュニケーションセンター
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