株式会社大林組
株式会社テクノ・ブリッド
株式会社大林組(本社:東京都港区、社長:白石達)と株式会社テクノ・ブリッド(本社:東京都渋谷区、社長:青木茂)は、ほか5社と共に、大林組が2001年に開発したスペースパック工法の普及やさらなる技術改良を目的に、このたび「スペースパック工法研究会」を設立しました。同工法は、大林組が開発以来手がけてきたトンネル覆工裏込め注入工法で、NETIS(※1)登録および東・中・西日本高速道路株式会社の規格適合工法として実績を積んでおり、2014年には東海旅客鉄道株式会社の規格適合工法となりました。
東日本大震災以降、全国的に地震が頻発しており、インフラ構造物の耐震化が急ピッチで進んでいます。トンネルでは、覆工コンクリートと背面地山との間に空洞がある場合、地震時に地山からの荷重が均等でなくなることで生じる「圧ざ」(※2)などの損傷や崩落など、幾多の災害が懸念されます。
大林組が開発した「スペースパック工法」は、これら背面空洞を確実に閉塞(へいそく)し、トンネル構造物の安定化を図る技術です。このたび、東海旅客鉄道の規格適合工法となったことを機に、同工法を道路・鉄道トンネル工事およびそれ以外の分野でも広く普及させるとともに、さらなる技術の向上と先進化を図るため、テクノ・ブリッドほか数社と共同で「スペースパック工法研究会」を設立しました。
「スペースパック工法研究会」および「スペースパック工法」の概要は、以下のとおりです。
【スペースパック工法研究会の概要】
1 設立 |
:2015年9月8日 |
2 目的 |
:スペースパック工法の普及、技術の向上ならびに発展 |
3 会長および事務局 |
:テクノ・ブリッド 代表取締役 青木茂 |
4 特別会員 |
:大林組 |
5 参加企業 |
:大林組、テクノ・ブリッド |
【スペースパック工法の概要】
大林組が2001年に開発した、トンネル覆工の背面空洞や道路下の地下空洞などに、モルタルに特殊増粘材スラリーを混合した注入材を充填(じゅうてん)する工法です。注入材は、加圧すると流動し、加圧を停止すると自立する特性を持つため、覆工のひび割れや目地からの漏えいが少なく、材料のロスを防ぐとともに安定した品質確保が可能です。
スペースパック工法は、開発以来、道路や鉄道などのトンネル覆工の背面や、道路下の水道管周りの空洞充填工事などに採用されてきましたが、今後は単に空洞を充填するだけではなく、地中構造物を地下水などの浸入から守る遮水壁への応用などをめざしています。
本工法で用いる注入材は配合の自由度が大きく、高強度化させたり、短繊維の混入により引張強度や曲げ靱性を増加させることも可能なため、「折れにくく、地下水などに含まれる汚染物質を通しにくい」土の壁を造ることが可能です。配合により、土に近い強度にすることで、従来工法より掘削、撤去が容易となり、また、土に近い材質のため、環境に優しい遮水壁を構築できます。
大林組とテクノ・ブリッドは、今回設立した「スペースパック工法研究会」を通して、低コストかつ信頼性の高い同工法の普及をめざし、インフラ構造物の耐久化・耐震化による安全・安心な社会づくりに貢献していきます。
以上
この件に関するお問い合わせ先
大林組 CSR室広報部広報第一課
TEL 03-5769-1014
プレスリリースに記載している情報は、発表時のものです。