株式会社大林組(本社:東京都港区、社長:白石達)は、鳥が好む環境を創出し、自然共生に貢献する都市緑地の設計支援ツールを開発しました。これは、公益財団法人日本生態系協会と共同で作成した都市部に生息する樹林性の鳥類を指標種とした生息地評価モデルを活用しています。
現在、都市緑地の設計において、「自然との共生」という観点から、生物を誘致する計画例が増えています。しかし、都市部の小規模な緑地を評価するモデルは少なく、動植物が生息できる質の高い緑地を設計することが困難でした。
今回作成した生息地評価モデルは、都市部における鳥の行動を細かく調査した結果に基づくもので、大林組は、このモデルを活用した設計支援ツールを開発し、都市部の小規模な緑地でも、鳥が好んで訪れる環境の創出を可能にしました(※1)。
この設計支援ツールは、大林新星和不動産株式会社が所有する複合ビル oak omotesando の屋上庭園(東京都港区、屋上面積1,228m²、緑地部分は屋上の約3分の1)の設計に適用されました。この屋上庭園は、地上の緑地部分を含まない屋上単独として、国内初のJHEP認証(※2)を取得し、小規模な緑地でも質を高めることで自然との共生に大きく貢献できることを示しました。
都市緑地の設計支援ツールの主な特長は以下のとおりです。
- 鳥の行動調査結果を基にモデルを作成
生息地評価モデルは「マイクロハビタット(※3)モデル」と「移動経路モデル」で構成されています。「マイクロハビタットモデル」は、季節ごとに指標種(コゲラ、メジロ、シジュウカラ)が好んで出現する環境の調査を基に作成されており、「移動経路モデル」は、都市緑地周辺で指標種(コゲラ、メジロ、シジュウカラ)を追跡し、鳥が好んで移動する環境の調査を基に作成されています。
鳥の行動パターンを実際の都市緑地における調査から導き出しているので、精度の高いモデルとなっています。また、本モデルは、共同開発者である日本生態系協会の「生物にとって良好な生息地」に対する考え方を踏まえており、JHEP認証への対応も可能です。 - 設計支援ツールで鳥の誘致に最適な緑地を実現
「マイクロハビタットモデル」の設計支援ツールでは、モデルを基に計画する緑地を評価し、より鳥が好むレイアウトを実現することで生息を促します。
「移動経路モデル」の設計支援ツールでは、モデルを基に周辺緑地から計画地までの鳥の移動経路や移動難易度を予測し、往来しやすい緑地のレイアウトとすることで鳥を呼び込みます。
大林組は、自然との共生に高い関心を持つお客様へ鳥が好んで訪れる都市緑地を提案し、より豊かな自然環境の創出に貢献します。
以上
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大林組 CSR室広報部広報第一課
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