公益財団法人大林財団(理事長:大林剛郎〔大林組 代表取締役会長〕、所在地:東京都中央区)では、第8回大林賞の受賞者を決定しました。
第8回大林賞
大林賞は、都市が抱える諸問題の解決に多大な功績があった研究者をはじめ、都市のあり方や将来像に指標を与え、あるいはそれらを実践することによって社会に大きく貢献をした者を顕彰するもので、2年ごとに実施しています。
今回、第8回を迎える大林賞の受賞者には、欧米で活躍され国際的に評価されているランドスケープアーキテクトのキャサリン・グスタフソン氏が選ばれました。2014年秋に同氏を日本に招き、授賞式ならびに関連セレモニーを開催する予定です。キャサリン・グスタフソン氏には、賞金500万円が授与されます。
(授賞理由)
キャサリン・グスタフソン氏は長きにわたりランドスケープアーキテクトの世界で多くの作品を世に出してきています。同氏の作品は、土地に刻まれた何かを削り出し、そこに集う人々の身体、精神などと一体化するような空間を作り出すことで、人と空間を融合させ、そのことを通じて空間に何かを付け加えるというような要素を強く感じさせます。それは、単に空間を過去とは切り離して作り変えるのではなく、かつてあったものを想起させつつ、新しいものを将来に向かって創り出していくかのようでもあります。
今日、世界の人口は過半が都市に居住するようになっています。また、日本では人口減少が現実のものとなった時代でもあり、こうした時代の変遷に伴い、都市の抱える問題はますます多様化しています。氏のデザインの根底にある、単に過去を否定するのではなく、合理的な精神を保ちながらも、そこに止まらずに、過去を想起し未来へとつなげるという持続的な文化を育もうとする考え、人々と空間との関係の再構築を景観あるいは空間の造形を進める中で追及するという考えは、都市の研究に携わる人々に対しても大きな影響を与えています。
【キャサリン・グスタフソン氏】
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