株式会社大林組
株式会社バイノス
ケルヒャー ジャパン株式会社
株式会社大林組(本社:東京都港区、社長:白石達)は、株式会社バイノス(本社:千葉県柏市、社長:湯川恭啓)、ケルヒャー ジャパン株式会社(本社:宮城県黒川郡大和町、社長:佐藤八郎)と共同で、アスファルト舗装道路の効果的な除染技術「バイノスRD工法」を開発しました。
アスファルト舗装道路は、高圧洗浄による除染の方法が一般的ですが、放射線量の低減効果が不十分な場合があること、また大量に使用する洗浄水の回収が困難で、放射性物質の飛散・流出が懸念されるといった課題があり、より安全・安心で効果的な工法が求められています。
除染作業の実績とノウハウを有する大林組は、放射性物質を吸着する性質を持つ「バイノス」を有する株式会社バイノス、屋外クリーナー製品を持つケルヒャー ジャパン株式会社に技術指導を行うとともに、共同で実証実験を行い、アスファルト舗装道路の効果的な除染技術「バイノスRD工法」を開発しました。
「バイノスRD工法」の主な特長と作業手順は以下のとおりです。
- 従来と同等のコストで、従来比3倍以上のスピード除染が可能です
実証実験では280m2の面積の除染を、洗浄水処理・濃度測定、排水まで含め2時間で終了しました。一日当たり300 m2の施工スピードである従来の高圧洗浄と比較して、本工法では3倍以上に相当する一日当たり1,000 m2を超える面積の除染が可能であり、かつ除染コストは従来工法と同等です。
- 汚染水の飛散・流出のない安心な工法です
洗浄水は、ケルヒャー製のクリーナー機器により洗浄と同時に回収されるシステムで、その後、汚染水中の粒子を沈殿させる株式会社バイノスのバイノスフロックを用いて凝集沈殿処理します。実証実験においては、処理水の放射性物質濃度は、短時間で放流可能な基準以下(※1)に浄化されました。
また、アスファルト舗装道路の除染に用いた水に含まれるBOD(Biochemical Oxygen Demand 生物化学的酸素要求量)なども水質汚濁防止法の規制値以下に浄化することが可能です。そのため、二次汚染の恐れのない安心な工法です。 - 高い除染効果を有します
ケルヒャー製シティクリーナーにより、アスファルト舗装道路の表面を効果的に洗浄するため、表面汚染密度を中線量地区で87%低減、低線量地区で69%低減することを実証実験で確認しました。また、地上1cmの表面線量率も除染前の0.16μSv/hから0.06μSv/hまで低減できました。
作業手順:
アスファルト舗装面に生分解性天然界面活性剤入り洗浄水を散布します
ケルヒャー製全天候型屋外クリーナー「シティクリーナー MC 50」を用いてブラッシングと同時に洗浄水を回収
ケルヒャー製「サーフェスクリーナー FRV 30」を用いて温水でリンスし、水を回収
回収水は、株式会社バイノスの放射性汚濁水浄化剤「バイノスフロック」を用いて凝集沈殿
凝集した放射性廃棄物をろ過により分離、処理水は検査で安全性を確認した後に放流
「バイノスRD工法」による除染で発生する除去物は、汚泥固形分が1m2当り700g程度とわずかで、廃棄物量の低減にも非常に効果的です。
大林組、バイノス、ケルヒャー ジャパンの3社は、被災地の早期復旧をめざし、協力して、安全・安心で効果的な除染技術を提供していきます。
以上
この件に関するお問い合わせ先
大林組 CSR室広報部広報第一課
TEL 03-5769-1014
株式会社バイノス
TEL 04-7132-7551
プレスリリースに記載している情報は、発表時のものです。