株式会社大林組(本社:東京都港区、社長:白石達)は、CSG工法(※1)に用いられるCSG製造設備の現場組立作業を短縮できる「ユニット式CSG製造プラント」を開発し、咋年11月、長野県で建設を進めている浅川ダム建設における押さえ盛土工事に導入しました。
CSG製造プラントの主な用途先となる台形CSGダムは、材料・設計・施工の合理化を同時に達成できることから、近年実績が増えつつあります。しかしながら、同工法での施工には大容量かつ所要の品質を満たすCSG製造プラントを現地に設置する必要があり、現場組立作業に日数と費用を要することが課題でした。
大林組は、既に開発・保有しているプラント「DKP-Ⅵ型ミキサ」を改良し、130トンから70トンまで軽量化を図るとともに、各構成部分のユニット化を国内で初めて実現させました。結果、従来機の特徴である「機器全体が他形式に比較してコンパクト」という利点を活かしつつ、CSG製造プラントの現場組立作業の大幅な省力化とコスト縮減を達成しました。
ユニット化に際しては、プラントの各構成部分を低床トレーラの荷台寸法に適合する大きさにピース化し、現場溶接作業を最小化するとともに、現場組立部材を30ピースから16ピースへと、従来型の約半分に減らすことに成功しました。さらに、現場接合をボルト接合方式に、電気設備配線接続はコネクタ方式とし、現場組立・配線工事を容易にする等、作業効率向上の工夫を行っています。加えて、当方式を採用した場合には、軽量化により敷鉄板上に配置が可能となるためコンクリート基礎工事も不要となり、産業廃棄物の削減にも寄与できます。
従来型プラントでは現場組立作業に6日間を要していましたが、このたび導入した浅川ダムにおいては計画どおり1日で組立作業を完了し、組立工事費を約50%低減しました。浅川ダムでは今年度から本格的に運用を開始し、CSG工法による押さえ盛土を7万m3行う予定です。
大林組は今後、当ユニット式プラントを台形CSGダムや地すべり対策工法、緊急時の災害復旧対応およびセメント安定処理工法等に使用することにより、品質確保、工期短縮、コスト低減を実現し、お客様のニーズに応えていきたいと考えています。
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