株式会社大林組(本社:東京都港区、社長:白石達)は、医療施設や研究所、生産施設などで使用する磁気の影響を受けやすい電子機器への対策として、施工時の電気溶接により磁気を帯びた鉄筋・鉄骨の着磁部位を容易に検出する「マグトレーサー」(写真1)を開発しました。
着磁とは、鉄が磁力を帯びてしまう現象のことであり、建物において、構造体である鉄筋や鉄骨等が着磁してしまった場合には当該部より長期間磁界が発生することとなり、電子顕微鏡やCRT画面などの磁界の影響を受けやすい電子機器の障害(写真2)となることがあります。
その原因は、電気溶接を行う際、溶接ケーブルに大きな電流が流れて周囲に強い磁界が発生し、ケーブル周辺に位置する鉄筋や鉄骨等がその影響を受ける(=着磁)ためであり、これら電子機器を使用する医療施設などの工事において電気溶接を行った場合は、施工後に着磁部位を測定し、状況により脱磁を行う必要があります。
このたび開発した着磁検出器「マグトレーサー」は、従来の一箇所ごとに測定して着磁の分布状況を把握する手法と比べ、着磁部位を簡易に検出することができる装置です。この「マグトレーサー」を用いることにより、脱磁処理までの着磁対策が非常に容易になりました。
「マグトレーサー」の主な特徴は以下の通りです。
着磁の程度を色の変化で表すことにより、着磁の分布状況を容易に把握できます。
片手で持てる軽量の検出器を床や壁面に沿って移動させるのみで着磁部位を検出できます。
従来の測定方法に比べて作業量を約3割削減できます。
大林組は、これまでリニューアル工事など、お客様の使用中のエリアとの近接工事を対象として、電磁障害対策マニュアルの整備や、電子機器と施工場所との距離の確認ソフトの開発等、施工に伴う電磁障害の防止に努めてきました。
これら既存の防止策に、今回開発した「マグトレーサー」を新たに加え、お客様の多様なニーズに応えることのできる施工を追求していきます。
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大林組 CSR室 広報第一課
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